ドーン・オブ・ザ・デッド

●ドーン・オブ・ザ・デッド

監督:
  • ザック・スナイダー
出演:
  • サラ・ポーリー(『イグジステンズ』)
  • ヴィング・レイムス(『M:I-2』)
  • ジェイク・ウェバー(『ザ・セル』)
特別出演:
  • スコット・ラインガー
  • トム・サヴィーニ
  • ケン・フォーレ



説明不要の『ゾンビ(DAWN OF THE DEAD)』のリメイク作。しかし、邦題の『ドーン~』はカッコ悪いのでやめて欲しかったなぁ(私にとってのロメロ完全版はあくまで英題の印象)。原題そのままにカタカナにしただけでは芸無さすぎです。

《走るゾンビ》に代表されるように、本作はアクションテイストが強いので、印象としてはゴブリンサウンド炸裂のアルジェント版に近い(ちなみに私はどちらかというとロメロ版が好き)。まあ、今時なら『バイオハザード』的と言った方が通りがいいのでしょうが。



序盤、主人公たちがショッピングモールにあっという間にたどり着いてしまうのがちょっと拍子抜け。さあ、ここからどうゾンビが蠢く町を乗り越えるのか?と思ったら、横の柵を乗り越えるだけ。スピード感重視とはいえオリジナルを知る人間には残念なところですな。

しかも、消費文化の象徴としてのショッピングモールがただの居場所扱いでしかないのも残念。オリジナル版の「異常な環境の中で生活を続ける異様な日常の先の世紀末感」こそがゾンビの肝だと思う私にとっては、まったくもって物足りない。

《走るゾンビ》も激しく襲ってくる分、恐怖も倍増かと思いきや大して怖くない。バッと来てバッと噛んで、ハイ、お終いって感じ。人肉を喰らう描写も皆無なのでゾンビである必要すら感じないほど(そもそも「死体が動き出す」と「死んだ人間が動き出す」ではまるで違うのだ)。

R-15指定という枠内に収めた結果のマイルド感……先の『テキサス・チェーンソー』と一緒や。もはや現代の表現コードの中ではこれ以上は無理なのかも。



社会派の欠片もなく、観終わって残るものも無い。今さら、こんなスタンダードなゾンビ映画を作る必要があったのか甚だ疑問(だから変化としての《走るゾンビ》が必要だったんでしょうが)。とはいえ、別棟の銃砲店店主とのやり取りのような上手いアレンジなど、これはこれで良い部分もあるので、一概に否定するのももったいない作品ではあります。

ゾンビファンとしてはついつい点数が辛くなりますが、単品で観るなら十分及第点。「リメイク=今の人向けに作る」とするなら星1個プラスしてOK。オリジナル版未見なら十分楽しめますよ。

ちなみにエンドロール後にスコット・ラインガー、トム・サヴィーニ、ケン・フォーレの名前が日本語(カタカナ)でわざわざ紹介されてましたけど、一般客には何のこっちゃさっぱりでしょうね。完全にゾンビファン向けの配慮でした(スコット・ラインガーは上映中には気付かなかったもんなぁ)。



リメイク版公開で期待したいのはオリジナル版DVDの再リリース(私、こればっかやな)。どうせなら「リビングデッドBOX」なるもので、『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』『同リメイク版』『DAWN OF THE DEAD(ロメロ完全版)』『ゾンビ(アルジェント版)』『ドーン・オブ・ザ・デッド』『死霊のえじき』の6枚組なんてのを期待したいです(出来れば『ゾンビ』は1枚でバージョン切り替えが出来る仕様でテレビ放送版吹替が収録されたら最高!)。淡い期待を込めつつ。

★★★

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック