フライトプラン

●フライトプラン

監督:
  • ロベルト・シュヴェンケ(『タトゥー』)
出演:
  • ジョディ・フォスター(『パニック・ルーム』)
  • マーリーン・ローストン
  • ピーター・サースガード(『ニュースの天才』)
  • ショーン・ビーン(『パトリオットゲーム』)
  • エリカ・クリステンセン(『トラフィック』)
  • ケイト・ビーハン



ベルリン空港に立つ1組の母娘。元航空機設計士のカイルは夫を突然の事故で亡くし、6歳になる娘と共にニューヨークに向かおうとしていた。離陸後にとった軽い睡眠。目が覚めると娘の姿が見えなくなっていた。機内を必死に探すがどこにも見当たらない。しかも娘は乗客名簿に載っていないという。追い打ちをかけるように娘は数日前に死亡しているという情報が地上からもたらされた。全てはカイルが生み出した妄想なのか?それとも……。


まあまあ面白かったです。個人的に虚実があやふやになる感覚ってのが好きなもので。それと限られた空間での密室劇も好き。これで劇中で流れる時間=実時間だったら私の好物三点盛りだったのに。まあ近いものはありましたけど。

台詞ではなく表情で物語を進めていくのもGOOD。主人公が賢く、行動が的確で早いのもいい。観ていてよどむところがないです。

元々は主人公は「父親」だったそうな。意外。父親では中盤で精神的に不安定になり娘の存在が曖昧になってしまう弱さの表現にはイマイチ合わないような(特にハリウッドスタイルでは)。この物語では母親設定は必須でしょ。

それプラス、理系の雰囲気を持つジョディ・フォスター以外の母親を想像しづらい。主人公は航空機の構造を知り尽くしている元設計士という設定にリアリティを感じさせなければならないのだから。

本作はジョディの存在抜きでは凡百のミステリー(※後述)。以前も書きましたが『パニックルーム』もジョディに変更されなければニュアンスが変わっていたでしょう。両作とも彼女に感謝しなくちゃね。



この事件の目的がああなるとはちょっと予想外。『ダイハード』系かい。もう少しミステリーを期待してたんですけどね(例えば「亡くなった夫の実家で跡継ぎ問題が浮上。孫を母親の手から奪い取るために仕組まれたものだった」ってな方向性)。

犯人の1人は容易に分かる。全てに関わっているのは○○だけだもん(つまりは娘がいる場所は……)。もう1人に関してはどっちに転ぶかという目で見ていましたがミスリーディング具合はまずまず。

ただし、ミステリーとしては情報の散りばめが不足。想像で補いましたが「業務スケジュール」「アラブ人」はもう少し画面に情報が欲しかった。まあ、突き詰めなくても話は通っているので疑問にすら思わない人もいるかもしれないけど。

この内容なら娘の存在を観客に対しても曖昧にしてしまうのも手だったかも(私はその方が好み)。前日に亡き夫の幻影を追うように街を歩いていた描写があるわけだから、娘と飛行機に乗るまでの描写をも主人公の一人称にしてしまえば良かった。そうすれば観客も劇中の乗客と同じ立場で主人公を見ることになり、オチがさらに胸に突き刺さったろうに。惜しい。



ちなみに「娘の存在があやふやになる中、窓に残されたラクガキを見つけて娘がそこにいたことを確信する」という部分は『バルカン超特急』のオマージュか何かかな(未見なため断言できないんですけど)。

事件全体は大味なので雰囲気を楽しめれば観る価値あり。
どうぞドキドキして下さい。

★★★

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