ブラック・ダリア

●ブラック・ダリア

監督:
  • ブライアン・デ・パルマ(『ファム・ファタール』)
原作:
  • ジェイムズ・エルロイ(『L.A.コンフィデンシャル』)
出演:
  • ジョシュ・ハートネット(『ハリウッド的殺人事件』)
  • アーロン・エッカート(『ザ・コア』)
  • スカーレット・ヨハンソン(『アイランド』)
  • ヒラリー・スワンク(『ミリオンダラー・ベイビー』)



1947年、ロス市内の空き地で腰から切断された若い女の死体が発見された。被害者は女優を夢見てハリウッドへ出てきた女、エリザベス・ショート、22歳。いつも黒い服を着ていた彼女を、人は映画のタイトル『青い戦慄(ブルーダリア)』をもじりこう呼んだ──ブラック・ダリアと。

ロス市警のバッキーとリーは、ミスターアイス、ミスターファイアの愛称で呼ばれるコンビ。バッキーはリーの恋人ケイに惹かれつつも、それを押しとどめ、3人での生活に喜びを見いだしていた。しかし、リーがこの死体に魅せられたかのように事件へと没頭していくことで3人の関係は変化していった……。


実にデ・パルマっぽいなぁ。
面白かったです。
面白かったですけど想定していたものとはちょっと違ったかな?



「世界で一番有名な死体」と呼ばれるブラック・ダリアのことは、世界の猟奇事件ファイルみたいな何かで目にしたことがあって、それだけで本作に興味を抱いたんですが、当然のように「事件の真相の独自な謎解き」を期待したわけで。

でも本作はあくまでも「ブラック・ダリア事件を元にしたフィクション」。もちろん原作者ジェイムズ・エルロイが生み出した"真相"を見せてくれはしますが、それよりもブラック・ダリアという死体に翻弄される人間模様をこそ描いた作品。

物語はブラック・ダリア事件単独ではなく、平行して起こっている別の事件と、過去にあった事件の関係者らといった人間関係が複雑に絡みあって構成されています。

つまり、ブラック・ダリアは、あくまでもこの物語の登場人物の1人という扱いで(もちろん重要な鍵ではありますが)、その辺りもブラック・ダリア事件目当てで映画に臨んだ私には物足りなく感じたところでした。いや~、映画の見方って難しいなぁ。



雰囲気が『L.A.コンフィデンシャル』っぽいと思ったら、原作者が同じ人だったんですね。しかもこの2作とも「暗黒のL.A.4部作」と呼ばれる作品とくれば当然ですか。



いわゆるフィルムノワール作品。

原作ではもっと多くの描写の積み重ねがあり、本作は映画というメディア特性に合わせた取捨選択を行っているわけですが、その端折り方にデ・パルマ節がドンピシャとはまり、本作はまるで最初からこういう物語だったかのようなデ・パルマ映画になっています。

それはそれで嫌いじゃないんですけど、最後の謎解き演出にもう少しメリハリを付けて、観ている観客が「おぉ~」となる"間"が欲しかったかなぁ。いわゆる探偵系作品の"推理ショー"のような奴。

いや……どちらかというと私が登場人物の名前の把握に頭を使っていた分、流れに乗り切れていなかっただけなのかもしれない。私、海外の推理小説とか読む時にカタカナ名前の把握がイマイチ苦手なんですが(この名前ってどの人物だったっけ?とページを戻して確認したり)、本作もまさにそんな感じで。

あー、ギリ把握できてたから気づかなかったけど、理解に頭を割り振っただけ演出に置いてけぼり食ってたのかも。まあ日本人なら仕方ないよね? そこんところに壁のない人なら問題ない話。私も再び観る機会があったら、もう大丈夫な気がします。



本作は実際にあった事件を紐解く部分はそこそこに、フィクションの犯罪小説を楽しみましょう。「○○殺人事件」という類いが好きな方は是非どうぞ。

★★★

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック