ボウリング・フォー・コロンバイン

●ボウリング・フォー・コロンバイン

監督/製作/脚本:
  • マイケル・ムーア



1999年4月20日、コロンバイン高校を舞台に起こった銃乱射事件。生徒2人の手により12人の生徒と1人の教師が殺害され、その後、犯人の2人は自殺した。メディアは暴力的な映画・ゲーム・音楽が悪いのだと書き立てた……が、しかし本当にそうなのだろうか?


まずは本作を観て欲しいです。
各々、内容に対しての是非はもちろんあるとは思いますが、是だろうが非だろうが、観て自分が何を感じるかを見つめて欲しい。今の時代を考える取っ掛かりとしてこれ以上の物はありません。全てはそこからです。

ドキュメンタリーとはもちろん実際にあったこと。
だからといって真実の姿でもありません。
そこには作り手の視点=フィルターが存在するからです。

本作もあくまでもムーアの視点で切り取られたもの。
そんなの当たり前と思うかもしれません。
しかし、こうしたドキュメンタリー映画に限らず、普段流れているニュースにも何者かの視点があるのだと自覚して見ている人はどれだけいるでしょうか?
キャスターやコメンテイターの意見とか、そういう次元の話ではなく、映像素材の選別や編集はもちろん、事件の拾い方からして情報の取捨選択は常に行なわれているのです。

本作でも米版『警察密着24時』が特定の印象を視聴者(特に白人)に与えている状況を浮き彫りにしていますが、私たちはそうした情報にどのようなフィルターが掛かっているかを見極める目を持たなければなりません。

本作が引っ張り出そうとする真実への最大の障壁《全米ライフル協会》。最後はその会長であるチャールトン・ヘストンへのインタビューを敢行しますが、遂に現れたラスボスと思っていたその男の姿にきっと愕然とすることでしょう。

一体、アメリカは他の国と何が違うというのか?



ムーアは確信犯的に「笑い」で情報を包んでいます。
それは観る者の心に深く入り込み、消えずに残ります。
私はラスト、ボウリングをするムーアの姿を見て思いがけない涙が頬を伝いました。
ムーアが放るボウリングの玉……胸に響きました。

★★★★★

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