マイノリティ・リポート

●マイノリティ・リポート

監督:
  • スティーブン・スピルバーグ(『A.I.』)
出演:
  • トム・クルーズ(『トップガン』)
  • コリン・ファレル(『ジャスティス』)
  • サマンサ・モートン
  • マックス・フォン・シドー(『エクソシスト』)



いや~、ものごっつ面白かったです。
スピルバーグの娯楽作を久々に満喫出来たって感じ。

最近のスピルバーグは、いわゆるオスカー狙いの作品群は大体評価出来るんですけど、どうも娯楽系の作品になると当たり外れが大きくて。
そもそもスピルバーグの全年齢対象作品の作風は甘く(作品によって善し悪しですが)、しかも前作の『A.I.』が余りの出来だったので、同種のSF物の本作は「緩い」のではないかと危惧していましたが、それは全くの杞憂でした。



トム・クルーズ演じる主人公ジョンは、自分が目を離した隙に子供を誘拐され未だ帰らないという過去があり、ドラッグ無しではいられない精神状態にある……という序盤の描写に、私は「おっ、今回はいつものスピルバーグ作品とは違うぞ」と、ちょっと姿勢を正しちゃいました。

未来を予知する3人の能力者《プリコグ》らのシステム的な扱われ方の冷静な描写もとても良。『A.I.』の中途半端なハートウォーミングさにガッカリだったので、まさかの路線修正にビックリです(『A.I.』は、キューブリックが撮っていたらこのシーンはこうだろうなぁ、ここはもっと突き放した感じだろうなぁ、といった想像が容易に出来る程に演出タッチの違いがモロに悪い方に出てましたからね)。

最終的にプリコグという存在への回答は、人間回帰が当然と言わんばかりの絞め括られ方なのは、いつものスピルバーグ調でしたが、さらりとした描写で綺麗にまとめていたと思います。もう少し「人類が手に入れた力」という側面を踏まえた部分も見たかったですけど。でもまあ、回答のひとつとして間違いではありませんしね。

ちなみに、私は前宣伝から「人のDNA情報からその人間の未来までも読み取る未来社会」といった印象を受けていたのですが……私の思い違い?



登場人物の配置などは定番中の定番なので、犯人の目星が簡単についてしまう所もありますが、それよりも、何故、ジョンが殺人を犯すビジョンが見えたのか?という謎解きの方が重要なので大した問題ではないでしょう。

「誰が犯人か?」を探るだけでなく、『刑事コロンボ』的な「どうやって犯行が行なわれたのか?」をひも解く要素、その2つが上手い具合に融合された傑作サスペンス。諸手を挙げてお勧めです。

それにしても予知のビジョンは曖昧なのに、加害者や被害者の名前がハッキリと分かるのは何故?の疑問を払拭してくれる方いませんか?

★★★★

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