ウルトラヴァイオレット

●ウルトラヴァイオレット

監督/脚本:
  • カート・ウィマー(『リベリオン』)
出演:
  • ミラ・ジョヴォヴィッチ(『バイオハザード』)
  • キャメロン・ブライト(『ダークエンジェル』)
  • ニック・チンランド(『リディック』)
  • ウィリアム・フィクトナー(『リベリオン』)



時は21世紀末。兵士強化薬開発の中で新種のウィルスが生まれた。それは感染した者を超人間《ファージ》にしてしまうものだった。ファージは超人的能力を手に入れる代わりに感染後12年で命を落とす存在。そんなファージを恐れる政府によるファージ抹殺。ファージも地下組織を作り抵抗をしていた。ヴァイオレットは12年前、妊娠中にファージに感染し、政府に中絶させられた過去を持つ。ある日、ファージを絶滅させる新兵器を政府が開発したという情報を得て、ヴァイオレットは政府施設への潜入を試みたが……。


"ウルトラ"を冠した空想特撮シリーズ最新作。巨大化しない等身大ヒロインということは『キャプテンウルトラ』の系譜か……なんてヨタ話はこのくらいにして(笑)。

でも、ホント、めちゃくちゃヒーロー映画してます。冒頭のファージ工作員はまるで改造人間だし、政府部隊は戦闘員、ヴァイオレットのバイクアクションのキレなど、まるで「仮面ライダー」を観ているが如し。

いいなぁ、海外だとこんなレベルで映画になるんだ。まあ理由は分かってます。日本の特撮物の場合、「変身」してしまうのが一般的でないんでしょうねぇ。人の姿を留めているか、もしくは「変化」までなら一般性を保持できるわけで。日本のヒーローがキャラクタービジネスである限り、ステップアップは望めないでしょう。

閑話休題。

ここ最近の"戦うヒロイン映画"の中では最高傑作。路線としては『イーオン・フラックス』と比較しやすいけど雲泥の差。『アンダーワールド』のヒロイン像はクールだったけどアクション自体が弱い。『エレクトラ』は未見だけど『デアデビル』からのスピンオフだから程度は知れてそうだし。『ブラッドレイン』は論外(笑)。

最高の戦うヒロイン=ミラを『リベリオン』の監督が料理すれば、そりゃ最高の戦うヒロイン映画になるよね。



アクションの畳み掛けは凄い。監督の前作『リベリオン』で生み出した"ガン=カタ"(銃と武道を合わせた格闘技)の発展系。敵戦闘員のダメージ表現も「砕け飛び散る装甲」とド派手。

ツッコミどころとしては、人を取り囲んで制圧する時には同士打ちにならないよう銃の射線が重ならないようにしましょう。冒頭のファージ工作員の場合は制圧部隊の武装が防弾だったとしても、中盤の"ブラッド・シノワ”の連中は生身だもん。そりゃヴァイオレットにいい様にされるってもんさね(まあどうしたってヴァイオレットに誘導されたとは思うが)。



そんなアクションの豊富さに対して、物語は実にシンプル。「人類対ファージの戦いに終止符を打つとされる1人の子供を連れて逃げる」……それだけ。その正体も一言で説明できるものだし。まるでアニメの第1話1時間スペシャルのよう。映画としてはちょっと弱いかな。



アバンタイトルのコミック調の絵を見てコミック原作物かと思ったけど、どうも違う様子。女性と少年の逃避行ということから『グロリア』を想起したけど、実際に監督は「グロリアをコミックブック・アクションアドベンチャーとして甦らせる」という考えの元、本作を作ったそうな。

ミラは当分アクションはしたくないって言ってるので(えっ『バイオ3』は?)、この続きはアニメででも作ってくれないかなぁ。

★★★★

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