ランド・オブ・ザ・デッド

●ランド・オブ・ザ・デッド

監督/脚本:
  • ジョージ・A・ロメロ(『ゾンビ』)
出演:
  • サイモン・ベイカー(『ザ・リング2』)
  • アーシア・アルジェント(『トラウマ/鮮血の叫び』※ダリオ・アルジェントの娘)
  • ジョン・レグイザモ(『スポーン』)
  • デニス・ホッパー(『スピード』)
  • ユージン・クラーク(『新ナイトライダー』)
特別出演:
  • ム・サヴィーニ(『ゾンビ』)
  • エドガー・ライト(『ショーン・オブ・ザ・デッド』監督)
  • サイモン・ペッグ(『ショーン・オブ・ザ・デッド』共同脚本)



「死者が墓場から這い出してくる!」

リビングデッド=生ける屍が瞬く間に世界中に広がっていった時代。残った人間たちは河に囲まれた街を基礎に陸続きの部分を塀で塞ぐことで外界から身を守っていた。一部特権階級は中央の高層ビルに住み、かつての繁栄を再現、謳歌していた。しかし、それは下層に生きる者たちを虐げた上で成り立っているものでもあった。ある日、外の世界から物資を回収する任務についていたライリーは奇妙なゾンビを目にする。それは他のゾンビとは違い「意志」を感じさせる存在だった。そして遂にその意志は人間たちに向けられた……!


本家ロメロ監督による20年ぶりのシリーズ続編!と聞いて胸躍らないファンが居ようか? いや、居まい! 製作費が少ないとの不安情報も耳に入るが、期待ではち切れんばかりの胸を押さえつつ、いざ劇場へ!



……う~ん、とにかく「安い」が第一印象。まあ製作費が少ないとは確かに聞いていたわけで仕方ないなぁって感じ。

前作『死霊のえじき(DAY OF THE DEAD )』製作時でも、「巨額の製作費で映画会社の望む通りに作る」か「少ない製作費で自分が好きなように作る」かのどちらかを選べと言われて後者を選んだ監督ですからね。まったくもう、どこかちゃんとした規模でこのゾンビサーガを作らせてやってくれないかなぁ。

本家が作ったのに、まるで安いエピゴーネン作品のよう。なんでだろうと首を傾げていたらパンフ内で「上映時間が短い」との一文。確認すると……1時間33分!? あぁ~、そりゃ駄目だよぉ。「元は2時間を超える映画を地上波の放送に合わせて1時間半にカットしたかのような印象」と言えば分かりやすいか。

カットが短く、中途半端にテンポがいい。冷静に時間を見つめる目がロメロ監督の真骨頂なのに、パッと次の場面に移ってしまい全てのシーンに余韻が無くなっている。その影響がモロに出ているのが「ゾンビ側の視点」。

本作では遂にゾンビの目線を設定。徐々に人間の街へと迫るゾンビたちの姿が人間ドラマの合間に挿入されています。しかし、この随所に挿入される"ゾンビ行脚"は下手すると間抜けに見えるばかりか映画全体の印象をもモッサリしたものにしてしまってます。



世界観をきちんと見せるファーストショットが欲しかった。外界と隔離した街の全景を1度でも押さえてあれば、後は街中のカットばかりでも広がりを感じられたのに。……やっぱ予算がなぁ。

あと本作では『ゾンビ』以降のエピゴーネン映画のショック演出をわざと使っている節があるんだけど……それは時代への迎合か?それとも本家の意地か? おそらく後者。他人が描いた全てのゾンビをも内包した上で次代のゾンビを描いてやろうという志。まあ、その志に製作費がついてこなかったのだな(悲)。



ゾンビファンは一応押さえるべき作品であることは間違いないですがそれ以外は……。安い『バイオハザード』を観てもいいという人なら。

P.S.
一応、DVDはカットされた部分を復活させた完全版としてリリースされるそうなので、そこに微かな期待をしてるんですが、でも大幅に上映時間が増えてるわけじゃないから印象が変わるかは微妙なところです。

★★

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