レッド・ドラゴン

●レッド・ドラゴン

監督:
  • ブレット・ラトナー(『ラッシュアワー』)
出演:
  • エドワード・ノートン(『真実の行方』)
  • アンソニー・ホプキンス(『ジョー・ブラックをよろしく』)
  • レイフ・ファインズ(『イングリッシュ・ペイシェント』)



へぇ~って感じ。『羊たちの沈黙』『ハンニバル』に続くレクター博士シリーズ(って言うのか?)の1篇として非常に上手く仕上がっていて感心しちゃいました。単品としても面白い刑事物ですけど、シリーズを補完する役目も十二分に担っています。

『ハンニバル』は元から《続編》として作られていますが、『羊たちの沈黙』は『ハンニバル』が作られた事で《シリーズ作品》という括りで語られる側面を持つ様になり、そのために足りない部分も生まれてしまいました。つまり……

「ハンニバル・レクターとは何者なのか?」

もちろん、必要最低限の描写は折り込まれていましたが、あくまでも同作品内で成立する程度(もちろん以前に映像化された『レッド・ドラゴン/レクター博士の沈黙』とも全く関連性を持たせることはありませんでしたし)。後日談の『ハンニバル』から顧みて推測する事も出来ますが、やはり推測は推測。

今回、レクターがクラリスと出会う以前の「如何にしてレクターはあの独房に入ったのか?」が描かれた事によって『羊たちの沈黙』を補完し、同時に『ハンニバル』で見せた「社会の中のレクター」をも想起させ、見事に前2作共に繋げることに成功しています。



ブレット・ラトナーが監督すると聞いてどんな出来になるのか想像も出来ませんでしたが、でも、考えてみれば『ラッシュアワー』の監督とは言っても、その出来を見れば分かるようにアクションを得意とするわけじゃないんですよね。本作を観て、手堅いながらもスピーディな演出が彼の持ち味なんだと分かりました。

それにしても服装等の時代考証とは別に、映像が醸し出す雰囲気がまるで80年代のクライムアクションっぽい(あの新聞記者なんてまさに)。もしかして『羊たちの沈黙』が作られた91年以前=80年代を感じさせる手法として意図的にやっているのかな?



こうして、レクター3部作が成立した今となっては、本作のグレアム捜査官と、前2作のクラリス(個人的にはジョディの方がイメージですけど『ハンニバル』後なので、やはりジュリアン・ムーアか?)が、力ならぬ頭脳を合わせてレクターを捕縛する「完結編」とも言うべき代物を夢想してしまいます。

野に放たれてしまったハンニバル・レクターは、もう1度あの檻の中の世界に収束してこそ、その終幕に相応しいと思いますので。期待!(実際、ラウレンティスならやりそうだし(笑))

★★★★

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