キューティーハニー

●キューティーハニー

監督:
  • 庵野秀明(『新世紀エヴァンゲリオン』)
出演:
  • 佐藤江梨子(『プレイガール』)
  • 市川実日子(『とらばいゆ』)
  • 村上淳(『バウンス ko GALS』)
  • 及川光博(『CHSSHERN』)
  • 片桐はいり(『ケイゾク』)
  • 小日向しえ(『鮫肌男と桃尻女』)
  • 新谷真弓(『彼氏彼女の事情』)
  • 手塚とおる(『ラブ&ポップ』)
  • 松田龍平
  • 篠井英介
  • 京本政樹
  • 吉田日出子



「世界のハートにハッピーぶち込む!」……予告編は良かったのになぁ。このノリが本編に無かったのが残念無念。私のハートにはまったくハッピーがぶち込まれませんでした。

でも全部がアカンかったわけではないです。冒頭、ポイポイ飛ばされる戦闘員には笑わせてもらいましたし、博士に変装しているハニーがサトエリのままなのに皆が気付かないってノリには大ウケしましたから。



私は庵野監督の他の実写作品を観たことがないのでハッキリとは言えないのですが、氏は実写映像に完璧を求めていないという印象があります。映像を完璧にコントロールするならアニメを作ればいい、と。

押井守監督が『アヴァロン』時に「女性のシワは(映像の)ノイズ」といった意味のことを語っていたと思いますが、庵野監督にとってはまさにそのノイズこそが実写という表現手段を選ぶ意義なのかもしれません。

良く言えばライブ感。
悪く言えばグズグズ。

例えば終盤、敵のタワー側面でハニーが四天王と戦う段になったとき、にわかにCGで暗雲を立ちこめることで、その後のセット背景を黒一色にしてしまうという演出方法は嫌いじゃありません。背景合成の手間よりも、そこで動きまわる人間たちの生さの方が大事なのだ、と。

しかし、だからといってそれらが機能していたかというとそうでもないのが残念なわけで。ライブ感をあまりにも優先しすぎていて作り込みが足りなさすぎ。スカーレット・クローのやられっぷりのぞんざいさも、周りをキチッと撮ってこそ活きるのであって、全体がぞんざいではどっちらけです。



決着の付け方がまるで『マトリックス・レボリューションズ』ごとくの盛り上がらずなのもどうかと。本作をデートムービーだと言うなら、やっぱ「ハッピーぶち込む!」みたいなスカッとさせてくれる決着が観たかったです。

細かい所では、ラストの「遠巻きに仲間を見るハニー」という演出はアニメではよく見かけるタイプ。でも背景がはっきり見える実写でやるとちょっと変な間になってしまってて。狙いが見えるだけに余計駄目駄目な感じ。

サトエリに関しては概ね良かったですね。
天然ボケハニーはサトエリが自然に演じられるものとしての逆算なのか元々のコンセプトなのかは分かりませんが見事にハマってます。
ただ、折角のサトエリなんだから衣装はもう少し体のラインが見える物の方が良かったかなぁ。ちなみに下着姿で走り回ったり、ご飯食べてエネルギー補給するノリはアニメ版より原作に近いハニーでしたね。



ま、確かに気楽に観る分にはそれなりと言えばそれなりですが……元々、到達点が70点の物を作ろうとした結果、60点で落ち着いちゃったって感じの代物。それなりに力抜いて望まないと肩すかしを食らうのでご注意を。

OPアニメは過去のTVアニメ版へのオマージュたっぷりでめっちゃGOOD……なんですが、結局、スピンオフ企画でOVA化されるとなると、このアニメ部分を本作を構成する一部として評価していいものか悩みますな。むむ。

★★

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