工藤新一への挑戦状~さよならまでの序章~

●工藤新一への挑戦状~さよならまでの序章~

演出:
  • 岡村浩一
脚本:
  • 渡邉睦月
出演:
  • 小栗旬
  • 黒川智花
  • 陣内孝則
  • 西村雅彦
  • 伊武雅刀
  • 岩佐真悠子
  • ふかわりょう
  • 水川あさみ
  • 西村和彦
  • 松重豊



高校生探偵・工藤新一の元に"KIDNAPPER"と名乗る人物から挑戦状が届いた。その内容は修学旅行の最中にクラスメートの誰かを誘拐するというものだった。幼なじみの毛利蘭にもその事実を隠し、その挑戦を受けた新一。しかし予告通り、遊覧船で船酔いして寝ていた園子が船内から消えた。容疑者は担任代理、添乗員、船長、船員の4人。一体、犯人は誰だ……?


冒頭、高山みなみの声=江戸川コナンのナレーションで始まり、アニメキャラから俳優に変化するオープニングという作りで、あくまでもアニメファン向けのスペシャルドラマという様相。

BGMがアニメ版そのままってのも構わないんだけど、微妙にかくし芸大会のパロディドラマのようにも感じたり。まあ、作品の前提がアニメとのリンクのようだし、実写ドラマならではの切り口というものを期待しても仕方ないのかな。

新一役の小栗旬は原作の青山剛昌の推薦みたいだけど、それほどイメージじゃないなぁ。亀梨金田一よりはアリだけど。

蘭ちゃん役の黒川智花は違うよなぁ。蘭ちゃんはただ可愛いだけの女の子じゃないのに。もう少し姉貴気質が欲しいところ。空手も様になってないし。私的には若き日の水野美紀がイメージかな。まあ『亀梨金田一』の上野樹里も含めて、この手のヒロインのキャスティングは難しいので多くは望みませんが。

対して園子役の岩佐真悠子は意外にハマってた。カチューシャというアイテム効果もあるけど、それ抜きでも悪くないと思います。

陣内孝則の毛利小五郎はGOOD。ちょい前に放送された『探偵学園Q』の団守彦より抜群にハマってました。

西村雅彦の目暮警部は見る前から疑問だったけど、実際見たら体だけ太った衣装で違和感バリバリ(演技も変な誇張芝居だし)。だったら最初からふくよかな人をキャスティングしようよ。



アニメの再現が中心なら目暮警部をはじめ、もっと徹底しないと。

蘭ちゃんの空手も冒頭ではコンクリートの壁にヒビを入れるという漫画的描写があるのに、終盤での蹴りにはまるで威力が無い違和感。

かと思えば、最後のトロピカルランドの3人の子供たちの声が高木渉、岩居由希子、大谷育江で吹き替えてあるというおかしな再現の仕方をしてたり。まあ、吹き替えてなかったら3人を判別出来なかったろうけど、それって演出が悪いのでは?

まあ、最後の新一と蘭ちゃんの私服はよく似た物を用意したなぁと感心したけどね(笑)。



で、内容だけど……えっとね、トリック雑すぎ。
以下、完全なネタバレなのでご注意を。

【第1の誘拐】
最初の誘拐トリックでは水音はトリックだと容易に分かる。
となると犯人バレバレ。
酔い止め薬は実は睡眠薬だろうってことがすぐ推理できる。
ここで犯人決定。あとは共犯者がいるかどうか。
しかし、誰も船酔いしなかったらどうするつもりだったのだろう?

(ちなみに第2の誘拐の時の「彼女」発言も耳に思いっきり飛び込みすぎ。こういう推理モノは犯人が何かしら物事に積極的に関わっていることを演出がカモフラージュしてくれないとっ)

警察が船内を調べても何も見つからなかったことでトリックが読めなかったけど、密室トリックが「密かに作っておいた合鍵」ってのは反則じゃないかい?

それに箱の鏡のトリックはたまたま蘭ちゃんが見たから誤魔化せたかもしれないけど、新一が見てたらバレてたろうし、警察が船内を捜索したなら箱類は二重底を疑って調べるはずだからバレるでしょ?

水音を作るための仕掛けも遊覧船に前もって仕掛けておいたら、いくらなんでも翌朝とかに船員らに見つかるでしょ?
湖畔に置いた酸素ボンベやライフジャケットも夜が明けて明るくなったら犯行を実行する前に見つかる可能性大でしょ?

【第2の誘拐】
蘭ちゃん誘拐トリックの原理は簡単に分かったけど、確実に成功させることを考えるとどうしても解けない部分があって頭を悩ませたけど、全てが杞憂に終わるとは……。

内側から鍵を閉めるというので、蘭ちゃんが外に出た後に内側で鍵を閉める人間が必要だなと思ったら外から鍵をかけられるとは。蘭ちゃんに渡された鍵は閉める用だったのね。わかりにくっ。

でも、それって意味あるの? だってドアの鍵が開いてたって鍵を持った外部犯の仕業になるだけじゃん。警部が持っているのはあくまでもマスターキーでしかないわけだし。蘭ちゃんが手間どる場合を想定したら、そんな危険を冒す必要はないわけだし。

現場が暗闇になったとしてもドア前に警官が立っていればドアからの人の出入りに気付くはず。しかし警官は見事にあたふたと持ち場を離れてくれて犯行は成功。でも、蘭ちゃんが暗闇の中で慣れない館内を素早く移動できるとは思えないのだが?

そもそも犯行予告時間前に「各自自室に戻り、準備が出来次第、大広間に集合」という警察の指示も不自然。それって犯人を信用しすぎじゃない? ていうかそのまま大広間で待機が普通じゃない?

それに蘭ちゃんが自室に用事が無いからと他の友人と行動を共にしてたら、彼女の手には鍵は渡ってないわけだし。

……と、まあ、犯人がコントロール出来ない要素が多すぎる。
こんなものを計画とは言いません。



最後のドラマの流れもおかしい。
犯人の行動からは、今回の目的が新一本人なのか、新一の大事なものを奪うためなのかが読み取れない。

のこのこと犯人が現れるから、最初から新一をおびき寄せることが目的かと思いきや、自分は犯人じゃないと否認。でも、新一の推理ショーによって自分が犯人だと認めると、今度は拳銃を突き付けて爆弾のある部屋に移動。自分ともども閉じ込める。……どういうこと?

だったら──「新一が蘭の元に駆けつけた時に背後に人影。それは犯人だけど、たまたま見かけたから追いかけてきたと言う。そこで推理ショー。犯人は拳銃を突き付けながら扉を閉めて……」──という流れにすればまだ矛盾は少ないのでは?

最後にサッカーボールで2回、危機を回避するけど、見せ場は1回でいいんじゃない? 都合良く天窓なんか用意しないで、せっかく蘭ちゃんが開けた穴があるんだから、そこから爆弾を「おっちゃんパス!」とか言って小五郎にパスして、小五郎は「ば、爆弾っ!?」と焦りながら海に投げるとそこで爆発!って方がおっちゃんの汗も報われると思うんだけど。



正直、推理モノとしてはイマイチ。
でも、アニメを実写化した面白さは楽しめたかな?

★★

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