スパイ・ゾルゲ

●スパイ・ゾルゲ

監督/脚本:
  • 篠田正浩(『瀬戸内少年野球団』)
出演:
  • イアン・グレン(『ダークネス』)
  • 本木雅弘(『シコふんじゃった。』)
  • 永澤俊夫
  • 椎名桔平
  • 上川隆也
  • 葉月里緒菜
  • 小雪
  • 夏川結衣
  • 岩下志麻



篠田正浩監督引退作品。でも、イマイチでした。
印象は散漫。《ゾルゲ事件》を通して、戦争に至ってしまった日本の姿を描こうという情熱は理解出来るのですが、いかんせんまとまりに欠けていたかと。



冒頭、本木雅弘演じる日本人スパイ・尾崎秀実(ほつみ)の逮捕とゾルゲ本人の逮捕シーンで物語が始まり、その後、映画本編は尋問による2人の独白から回想という形で描かれていきます。

そして、そのまま2人の主人公の2つの視点で物語が進むかと思いきや、8:2の割合でゾルゲの話に終止し、尾崎の話はほんの添え物程度なのは如何なものでしょう? 冒頭シーンの描写比率からすれば、本来、ゾルゲと尾崎の割合はせめて6:4でなければ変です(企画当初は尾崎を主人公に想定していたそうなのでその名残りですか?)。

更に、そのまま2人の独白で話が進むかと思いきや、単に時間を遡っただけの普通のドラマ描写が続き、たま~に思い出したように2人の独白が入る始末。

ならば、冒頭シーンは2人の逮捕前夜までにして、窓に映るゾルゲのシルエットのタイトル画面後にオープニング突入。オープニング明けにそのままゾルゲと尾崎が出会う過去に時間を戻してしまい、独白の無い構成にしちゃえば良かったのではないでしょうか。



他にもゾルゲに関わる女性ら(妻、不倫愛人、恋人的愛人)の描写も中途半端。葉月里緒菜演じるゾルゲの恋人的愛人・三宅華子などはゾルゲへの深い愛を最後に見せますが、そういう心情に至ったであろうゾルゲとの日常描写が皆無では単なる突飛な行動にしか見えません。

結局、狙いと中身がチグハグで、戦争国日本を総括したかった割にはゾルゲ個人に話が集約してしまい、でも目線は一歩退いたままで……といったところでしょうかね。

そうそう、音楽の使い方もかなり気になりました。無理にBGMを付けてる感が強くて耳障りで。もっと自然音だけにしてもいいのでは? その方がここぞという時の音楽の力が増すと思うんですけどね。

エンディングの「イマジン」も歌詞を変なテロップで流すのではなく、歌入りバージョンにして字幕で歌詞を表示した方が断然良かったと思いますよ、ホント。



予告CM等では「1人の《怪物》が日本にいた」と煽っていたのに実際にはゾルゲを等身大に描いた内容で拍子抜け。とりあえず《ゾルゲ事件》を把握するのにはいいかもしれませんが、映画なんですからもっとサスペンスフルなものを観たかったです。

★★

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