デビルマン

●デビルマン

監督:
  • 那須博之(『ビー・バップ・ハイスクール』)
出演:
  • 伊崎央登/伊崎右典(FLAME)
  • 酒井彩名(『バトルロワイアルII』)
  • 渋谷飛鳥
  • 冨永愛
  • 宇崎竜童
  • 阿木燿子
  • ボブ・サップ



原作のラストまでを映像化。でもそれだけ。

全てを描こうとするには2時間では足りないことは分かっていたはず。実際にそのシワ寄せが序盤にきてます。まず不動明がデビルマンになる過程が短い。シレーヌとの戦いは中途半端。ジンメンとの戦いはアッサリ。

描かれるべきは人間たちの「デーモン狩り」であるのは当然。確かに本作もそこに重点を置いてます。その結果が序盤の慌ただしさなんでしょうが、しかし単に端折ればいいというものではないでしょう。だったら、シレーヌやジンメンといったメジャーなキャラを出さずに夜な夜な雑魚デーモンを相手にするデビルマンでも描けば良かったのに。

そのデーモン狩りの狂気も薄い。人間を嫌いにさせてくれるほどのパワーは無かった。牧村美樹の無惨な姿は目を背けたくなるものでなければ意味がないのに実に大人しい。一般向け作品の限界といってしまえばお終いですけど。



映像的にはシレーヌ戦等のフルCG部分でカメラをグルングルン動かしすぎ。クライマックスのサタン戦でもまるっきり同じアングルを繰り返すため盛り上がりやしません。タメあってのアクション。マトリックスに肉薄出来るんだとでも言いたかったんでしょうか?

分かっていたことですがCGがCGくさい。《T-VISUAL》などと言っても単にそれを誤魔化す言葉でしかないです。CGを本格的に実写に馴染ませるには金がかかる。されどフルCGアニメにすればそれはそれで金がかかる。だから、T-VISUAL。私の好きな『地獄堂霊界通信』を撮った監督ですし、淡い期待もしてたんですがCGを演出しきれなかったかなぁといった印象。

不動明と飛鳥了を双子が演じるアイデアは面白いのにそれが上手に機能せず残念。しかも演技が固くて見ていられない。デビルマン変身前に必ずポーズをとって「滅びろっ、デーモン!」と言うのは妙にヒーローっぽくて浮いてます(ポーズも固まったままで変。おそらくはデジタル処理のタイミングを調整しやすくする処置と思われますが、撮影時にプランを固めてないのでしょうか?)。

不動明がデーモンの存在を知る手段をHMD(ヘッドマウントディスプレイ)に変更したのは上手いアレンジ。実写の場合、太古の記憶装置である悪魔の面をハリボテで作ったところで様にはならないですから。



ま、本作を観るぐらいならOVA『デビルマン誕生編』『シレーヌ編』を観た方が断然楽しめます。こんな物を作っている暇があったら『完結編』を作ってくれよぉ。

ちなみに牧村美樹の「アキラくーん」の声を聞いた瞬間、ゾクゾクッとした私。どうやら私にとってのデビルマンは美樹ちゃんが明を呼ぶ声にあるのだと分かった次第(笑)。これが本作唯一の収穫だったかな?

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