オーメン

●オーメン

監督/製作:
  • ジョン・ムーア(『エネミー・ライン』)
出演:
  • シーマス・デイヴィー=フィッツパトリック
  • リーヴ・シュレイバー(『スクリーム』)
  • ジュリア・スタイルズ(『ボーン・スプレマシー』)
  • ミア・ファロー(『ローズマリーの赤ちゃん』)



その徽章は獣の名、もしくはその名の数字なり。
智恵は茲にあり、心あるものは獣の数字を算えよ。
獣の数字は人の数字にして、その数字は666なり。
────『新約聖書 ヨハネの黙示録 13章18節』

6月6日午前6時、アメリカ人外交官・ロバートの妻がローマの病院で死産をした。しかも2度と子供の産めない体になった妻。思い悩むロバートに病院の神父が1人の赤ん坊を勧めてきた。その赤ん坊の母親は出産中に死亡したという。ロバートはそのいきさつを話さずに赤ん坊を実の子供としてケイトに渡すのだった。

ダミアンと名付けられた赤ん坊が5歳になった頃、彼の回りで異常な事件が起こり始めた……。


言わずもがなの1976年の同名作品のリメイク。
とはいえリメイク作品を観ている感は皆無だった。
この仕上がりだったらリバイバル公開でいいんじゃないの?

ロバートの妻ケイトをパッとしない今時のリアルなキャラ造形(なにがしジョーンズの日記のヒロインみたいな感じ?)に変更した部分は私は邪魔に感じた。あれでは単に育児が不得意な駄目な母親にしか見えない。正直、ダミアンを恐怖するケイトに同情がまるで出来なかった。

演出の間の悪さも鑑賞リズムを狂わせる。最初に気になったのが、他の駐英大使候補が死亡して繰り上げ当選したことに心を痛めながらもロバート夫妻が屋敷探しに回る場面。屋敷の広さがロバートの心を更にかき乱す中で、妻ケイトが「関係ないわ、実力よ」と諭して一件落着。でも「やっぱり広いな」とロバートが口にするというクッションシーンが、間が無いために台詞が死んでしまっている。



そもそも序盤の間=構成自体が悪い。

いきなりタイトルが出たと思ったら、教会での聖書の読み解きシーンがダラダラ続き、その後、唐突に病院での赤ん坊のやり取りになり、記録フィルムのような映像でダミアン成長を見せ、現在に至る。タイトルから始めた割にテンポは滞るばかり。

ちなみに聖書の読み解きシーンでは実際のニュース映像を流用していて、あの貿易センタービルも映し出されるのだが、たかが年月日にあやかった企画映画がそうした映像を気軽に扱っていることに嫌悪感。

ならば聖書の読み解きをしている教会関係者(=役者つまりはフィクション)の挿入をやめ、ドキュメントフィルムのみで世界を表現する。プロジェクターが止まり、教会内部が明るくなった時に初めて教会関係者が聖書を読み解いているのだと見せる。

不安がる教会から一転して、病院での一連のいきさつに。
赤ん坊を抱くロバート(もしくはケイト)。
「名前は?」「ダミアン」
ここでタイトルを出し、ダミアン成長記録映像をタイトルバックにして現在に至ればテンポがいいと思うのだが?



ミア・ファロー演じる乳母は、監督曰く「後半まで正体を隠しておこうとした」そうだが、初登場シーンから笑顔が恐かった。そういう恐怖を描いているものとばかり思っていたがどうやら違った模様。単に私がああいう感じで自己主張するタイプの人間を苦手にしているだけか。

いや~、『ローズマリーの赤ちゃん』で恐怖にうち震えるヒロインだったミア・ファローが悪魔の手先(←知らない人にはネタバレだろうから隠してみた)かぁ。これが本作での唯一の価値かも。ホラー映画ファンなら必見!



2006年6月6日にかけてひと稼ぎしようとしただけの映画。
昔の『オーメン』を借りて観た方がお得です。

★★

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