猫の恩返し

●猫の恩返し

監督:
  • 森田宏幸
声の出演:
  • 池脇千鶴
  • 袴田吉彦
  • 渡辺哲
  • 斉藤洋介
  • 前田亜季
  • 濱田マリ
  • 岡江久美子
  • 丹波哲郎
  • 佐戸井けん太



まあまあでした。でも、スタジオジブリという名前がなければ非常によく出来た作品と思ったのかも。本作を観て分かったことは、私はジブリ作品に対し「極めて高い質を要求している」ということでしたね。

主人公ハルは普通の女子高生……かと思いきや、冒頭、トラックにひかれそうになる猫をもの凄い俊敏さで助けます。猫が喋ったという事実を意外とアッサリ受け流し、夜中の猫の大名行列をわざわざ家の外まで見に出ます。冗談まじりとはいえ猫の生活への憧れを口にするのんびり屋のようでそんな性格でもなさそうで。

全体的に主人公たる資質がまるでなく極めて普通の女の子としてしか描かれていないのに、要所要所では主人公的リアクションをとるギャップ。私は感情移入のポイントを見つけられませんでした(声の印象による部分も強く感じたりもするんですが…)。



どうも本作に対して監督等がしきりに「少女マンガというもの」といった発言をしていますが真剣に考えすぎたのではないでしょうか? 多分、本気で少女マンガというものがよく分からずにした努力だったのでしょうが、どう見ても「普段漫画を読まない人が頭でっかちに分析してしまった」という印象を受けたのですが…。

それに対し、猫の国の描写は往年の漫画映画のようなノリで進みながらも、大立ち回り等では突き抜ける感がまるで足りず。これは少女マンガ的な感覚に合わせようとしたための弊害でしょうか?

結果、「少女マンガの曖昧さ」と「漫画映画の大胆さ」がゴッチャになってどっちつかずでチグハグさだけが残った、といった感じですかね。



監督が少女マンガテイストを理解して画面に再現出来るのなら少女マンガ映画として作られるのが一番ですが、出来ないのなら漫画映画的なバタ臭さで全体をアップテンポにしてしまうのもアリだったのではないでしょうか? う~ん、とにかく惜しいです。

★★★

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