ゴジラ×モスラ×メカゴジラ/東京SOS

●ゴジラ×モスラ×メカゴジラ/東京SOS

監督:
  • 手塚昌明(『ゴジラ×メガギラス/G消滅作戦』)
出演:
  • 金子昇(『百獣戦隊ガオレンジャー』)
  • 小泉博(『モスラ』)
  • 吉岡美穂(『巌流島』)
  • 虎牙光輝(『ラストサムライ』)
  • 中尾彬
  • 釈由美子
  • 友井雄亮



《機龍》再び!燃えるぅ! タイトル画面もゴジラ、モスラときた後に機龍!ですもん(もちろんメカゴジラ表記に変化しちゃいますけど)。前作『G×MG』時にも書きましたが『ゴジラ2000』以降は全作品が1954年の第1作の続編という形のパラレルワールドシリーズなのですが、本作は唯一、前作『G×MG』の完全な続編になっています。

生命を弄ぶが如くの生物兵器《機龍》の力は人間が持ってはいけないものではないか?というテーマに対して、整備士を主人公に据えることで感情の流れが一貫していたと思います。しかも主人公の伯父がモスラと関わる人物ということで、モスラと機龍、双方の物語に関わる人物としてとても上手く機能していましたね。

仲間の骨を探していたゴジラは悪なのか? 造り出した人間の罪。それに対するひとつの答え。しかも今回のオチには更なる人間の禍々しさが……。こんな大人たちになるなよ、少年少女。

あとこれは個人的な深読みですけど、この機龍を現実の核兵器に置き換えれば、対するゴジラはまさに核の象徴であり、核に対する抑止力としての核に頼る世界への理想の提示にも見えるかも……? まあ、ゴジラ=核亡き世界が前提の話なので、現実には「せーの」で放棄するなんて無理ですけど。

機龍最期のアレはちょっと人間味ありすぎかなぁ。盛り上げようという演出だったと思いますが、ちょっとやりすぎかと。でもまあ、少々子供向け作品寄りの演出ってことで大目に見ましょう。



1961年『モスラ』がこの世界の歴史に組み込まれているため、中條博士役が同じ小泉博さんというファンサービスも嬉しいところ。でも、今回の小美人の第一声が「お久しぶりです、中條さん」だったので、ザ・ピーナッツが演じた小美人と同一人物かと思って「何故歳をとらないんだ?」と悩んじゃいましたよ(どうやら同じ一族なだけのようで)。

ちなみにモスラはあくまでも1961年『モスラ』のモスラであり、後の『ゴジラVSモスラ』等の顔合わせは今シリーズの歴史には存在していないので混乱しないように(私はちょっと「あれ?」と思ったもので)。

それにしても今回のモスラの造形&動きは素晴らしいの一言。あれだけ羽ばたくモスラは初めて見ました。あれなら鱗粉攻撃がモスラの命の羽ばたきだとストレートに理解できます。平成モスラは生物感が皆無だっただけにめっちゃ感動しました。



他に細かい部分では、前作の主人公たちはアメリカへの研修という設定で機龍隊を離れますが、きちんと釈由美子や友井雄亮らが送別会シーン等で登場する点が良いですね。続編でこういう設定の場合、大抵は会話だけで済ませて、観客に制作の舞台裏を想起させてしまいがちですからね。

本作は前作を観た人なら絶対に観るべき作品(って、そんな人は言わなくても観てますよね)。観てない人なら前作を観てから是非。出来れば第1作『ゴジラ』と『モスラ』を観るとより深く理解できるのでお勧めします。

★★★★

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