仮面ライダーカブト/GOD SPEED LOVE

●仮面ライダーカブト/GOD SPEED LOVE

監督:
  • 石田秀範(『仮面ライダー剣/MISSING ACE』)
出演:
  • 水嶋ヒロ(『ごくせん』)
  • 佐藤祐基(『ごくせん』)
  • 里中唯(『1リットルの涙』)
  • 小林且弥
  • 虎牙光揮
  • 徳山秀典
  • 加藤和樹
  • 本田博太郎
  • 弓削智久
  • 永田杏奈
  • 山口祥行
  • 森下千里
  • 武蔵
  • 次長課長



1999年、地球に落下した巨大隕石によって海が無くなった世界。その隕石から出現する地球外生命体《ワーム》。ワームから人類を守るために作られた組織《ゼクト》と、その切り札《マスクドライダーシステム》。世界を支配するゼクトから離反した者たちが結成した組織《ネオゼクト》。2つの組織のライダーたちが戦い合う前に現れた謎の男・天道総司。

ゼクトは水資源確保のために巨大彗星を地球に引き寄せる《天空の梯子計画》を実行しようとしていた。ゼクトの支配力が強まることを恐れたネオゼクトは天道総司を仲間に引き入れ、計画の奪取を目論むが……。


今年のライダーの売りは「宇宙」。
毎年目先を変える劇場版ライダー企画もちょっと息切れのご様子(というか、昨年の『響鬼』のTV製作費肥大のツケがここまで及んでいるのかな?)。

物語は基本的には『555』系のパラレル未来物(※後述あり)。
荒廃した近未来(街は普通だけど)を舞台に、言わば政府軍と反政府軍が抗争を続けているというよくある話に、天道の思惑と、ひよりの存在と、加賀美の想いが重なったドラマ。

違う時空が舞台のパラレル作品ということで、TVシリーズと同じ名前の登場人物が別の場所で別の役柄で登場するわけですが、本作の問題点はまさにそこにあるかと。



2つの組織に各々所属するライダーらが中途半端にシャッフルされていることが人物配置を無駄に複雑化する原因に。

劇場版オリジナルライダーの存在は映画としての毎年の売りになってますが、本作でも「ケタロス(銅)」「ヘラクス(銀)」「コーカサス(金)」という3人のカブトムシ系ライダーが登場。

しかし、ケタロス(とコーカサス)はゼクト所属で、ヘラクスはネオゼクト所属。さらにTV版ライダーのザビーとガタック(とサソード)はゼクト所属で、ドレイクはネオゼクト所属……と、なまじTV版の印象があるだけに頭の中で再整理する手間が増えます。

こうしたパラレル物を作る際は、せめて劇場版オリジナルライダーたちを同組織でまとめる程度のことをするのが最低限のルールだと私は思いますけどね。

ラスボスであるコーカサスの装着者の正体は「謎」とされていたので、そういう伏線っぽい設定の場合、「既に画面に登場している誰かがその正体」かと思いきや、最後に普通にひょっこりと武蔵が登場。

それよりもコーカサスの中の人はあえて素顔を出すことなく「そういう存在者」とした方がシンプルで良かったのに。芸能人キャスティングの悪いところでしょうか。



2つの組織の立ち位置自体の分かりにくさ。結局はただの内紛なわけだけど、こういう未来世界こそ組織以外の一般生活をきちんと描写し、両組織共、民間人らには煙たがられていたりする設定にでもなっていたら理解しやすかったろうに。



本作は「TVシリーズで天道が何故ベルトを持っていたのか?」「ひよりの正体は?」などといった部分が明かされ、映画ラストをTV初回に繋げていたのは面白かったというか、強引というか、子供には理解できてないだろうというか。

このままいけば劇場版『龍騎』のように、ただのパラレル作品ではない1作となりそうですが、TVシリーズが終わるまで油断できないのが平成ライダーなのでなんとも言えません。

とりあえず本作のみで評価すると、脚本は弱く、それを補うほどの映像の力も無く、全体的な印象は安いVシネマといったところ。映像クオリティの低さは製作費の問題かもしれないけど、それ以外の部分は作り手の能力の問題。う~ん、残念。

★★

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