小さき勇者たち~ガメラ~

●小さき勇者たち~ガメラ~

監督:
  • 田崎竜太(『仮面ライダー555/パラダイスロスト』)
出演:
  • 富岡涼(『この胸いっぱいの愛を』)
  • 夏帆(『ケータイ刑事 銭形零』)
  • 津田寛治(『仮面ライダー龍騎』)
  • 寺島進(『逃亡者 木島丈一郎』)



33年前、伊勢志摩地方でガメラはギャオスと戦っていた。しかし3対1の劣勢。ガメラはギャオスを道連れに自爆するのだった。
その姿を見ていた少年が大人になった2006年。小学5年生の相沢透は父親と共に1年前に亡くなった母親の墓参りにきていた。その時、浜辺に不思議な赤い光を見かけ、後日、足を運んでみると、そこには赤い石に包まれた亀の卵があった。
透の手の中で卵から孵った亀。透はその亀に母親から呼ばれていた自分の愛称"トト"と名付ける。でもその亀はただの亀ではなく……。


泣いちゃった。
平成ガメラのアプローチはアレはアレで否定しないけど、昭和ガメラが持っていた「子供の味方」を真っ向から主軸に据えた本作やアッパレ。

最後のリレーは素直に感動。あれをせせら笑うような大人特撮ファンがいたとしたら、アンタら損してるでと言いたい。

クライマックスの1人の少女の行動は最初は突拍子もなく見えたけど、
その後の展開で納得。少年少女はガメラのために、ガメラは少年少女のために。本作のタイトルは『小さき勇者"たち"』ですから。



とはいえ予想よりも特撮はよくなかった。
怪獣映画という名の低予算で作らされている感が強い。

育ってからのトトが作り物然としているのは残念(なんとなく『REX』とか思い出しちゃった)。
本物のケヅメリクガメでも50センチ以上に成長するそうなので、だったらそのサイズまでは本物でなんとかした方が良かったのでは?

ガメラトトは愛嬌があるというか、昔のミニラみたいで微妙。コンセプトが理解できるだけにもう少し可愛く仕上げてほしかったなぁ。

実写商店街に敵怪獣の足が入ってくるような合成ショットはリアルなのに、怪獣オンリーの画面になると単なるミニチュアセットにしか見えない統一感の無さも問題。予算的に無理ならミニチュア然とした方向で統一させた方がいい。

特撮担当は様々な監督の下で助監督をしてた人間で、実写版『鉄人28号』で特撮班の助監をやってたことから、本編&特撮トータルに見れる人間として選ばれたそうな。力量も問題だけど、結局、中途半端ということか。



脚本もちょっと練り込み不足。
透が母親の死から「死そのもの」への畏怖を感じてしまっている描写がなかなか描ききれていない。その中にある透のお隣さんの麻衣の手術要素がなじみきれていない。透が死への畏怖を乗り越える段階で少々足踏みを感じるのもじれったい。などなど。



でも本作はマイナス要素をプラス部分が断然上回ってるのでOK!
他諸々の足りない部分も許しちゃうよ。

従来の怪獣映画全般が登場人物を一歩引いた視点で捉えているのに対し、本作は人物に寄った低い目線が特徴。この辺、等身大ヒーローを撮り続けていた監督の持ち味でしょうか。あくまでも少年たちが主軸である本作にハマってます。

是非この路線で続編を。もちろん予算も付けてね。

しかし本作はなんで夏休みムービーじゃないのだろう?
映画の舞台も夏休みだし、夏に観たらもっと楽しかったろうに。

★★★★

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