完全犯罪クラブ

●完全犯罪クラブ

監督:
  • バーベット・シュローダー(『絶体×絶命』)
出演:
  • サンドラ・ブロック(『デンジャラス・ビューティー』)
  • ベン・チャップリン(『レジェンド/三蔵法師の秘宝』)
  • ライアン・ゴズリング(『タイタンズを忘れない』)
  • マイケル・ピット(『ヴィレッジ』)



金持ちの息子で人気者のリチャードと、頭はいいが気の弱いジャスティン。世間的にはまるで接点のない2人だったが、実は密かに完全犯罪を計画する仲だった。そして犯行は実行された。森の中で見つかる死体。女刑事キャシーは死体に残された手がかりから浮かび上がる容疑者に疑問を抱き、リチャードとジャスティンに疑惑の目を向けるのだった……。


非常にかったるい内容でサスペンスでもなんでもないですね。

「完全犯罪クラブ」という邦題は出色の出来ですが、いかんせん内容がともなってません。タイトルで期待して観ると、その似て非なる内容にガッカリすること間違いなしです。

クラブと比喩するにはあんまりな高校生2人の犯行。
完全犯罪と呼ぶには大してレベルの高くない計画。
頭脳担当と実行担当の関係性の緩さ。

犯罪の進行と日常生活における2人の心理描写の推移こそが本作のキモだというのにまるで締まりがありません。



そして最大の問題は、この緩い犯罪ドラマに加え、事件を追う女刑事に必要以上のパーソナリティを与えて物語を散漫にしたこと。

本作は、命に価値を見いだせない現代の若者が犯す犯罪こそを主題とするべきなのに、過去のトラウマで精神を病んでいる女刑事の物語が割り込んできてはグダグダになるのも当然。

この女刑事のドラマが事件の推移とリンクでもしていればまだ救いもありましたが、これがまるで無関係。しかもラストカットは女刑事の個人的エピソードで幕……って、これじゃ高校生2人の犯罪はただの当て馬じゃん。

(ま、原因は主演のサンドラ・ブロックが製作総指揮もしているせいだろうけど)



冒頭にクライマックスの1シーンを先に見せる作りが、まったく効果的に働いていない。もっと仰々しく、丁寧に見せた上で、犯罪の共犯関係を観客に錯誤させ、2人の「契り」が成立していると感じさせる必要があるのに。

2人の精神的結びつきとその崩壊を描かなければ、ラストでの犯罪計画を主導する立場と感化される立場の逆転に驚愕も納得もできやしない。(←一応ネタバレになるので伏せ字)

監督は『ルームメイト』『絶体×絶命』のバーベット・シュローダーなのに、今回はなんでこんなに出来が悪いんだろ。あ、そもそも脚本がアカンのか? 脚本……トニー・ゲイトンか。他タイトルでは『ソルトン・シー』ぐらいしか見当たらないけど以後要注意ですな。



完全な失敗作なので観るならそのつもりで。

女刑事要素を排除して脚本をシェイプアップしてたらそこそこの佳作にはなったろうに《製作総指揮サンドラ・ブロック》が完全に足枷になってます。女優としてひと癖あるキャラクターというのは演じたくなるんでしょうが、こういう辛気くさい役柄はイマイチかと。とりあえず作品を巻き込むのだけはやめてほしいですね。

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