16ブロック

●16ブロック

監督:
  • リチャード・ドナー(『リーサル・ウェポン』)
出演:
  • ブルース・ウィリス(『ダイ・ハード』)
  • モス・デフ(『ミニミニ大作戦』)
  • デヴィッド・モース(『グリーンマイル』)



第一線から遠のき、酒で陰鬱とした日々を紛らわしている刑事ジャック・モーズリー。ある日の夜勤明け、彼は上司からたった16ブロック先の裁判所に証人エディを送り届けるという簡単な任務を命じられた。だが、その道中、証人の命が狙われる事態に。辛くもその場を逃れたジャックの前にかつての相棒が現れた。そう、その証人に証言されて困るのは刑事たちだったのだ……。


これは極上なサスペンスアクション。
上映時間=ほぼ劇中時間というのも私の好物で非常に楽しめました。

くたびれた中年という設定があっても、そこはダイハード男のブルース・ウィリス。観客はきっとなんとかなるんだろうと思ってしまうところをオープニングの1ショットできっちりと不安にさせてくれます。さすがリチャード・ドナー、上手いです。

しかも、その1ショットのシチュエーションは『ガントレット』をも容易に想起させるため、明朗快活な刑事物ではない70年代的ドラマを覚悟させるおまけ付き(まあ、これは映画ファン限定か?)。

また、証人エディは凶悪犯でもなければ元軍人でもないただの男。この手の物語では、閑職にあっても能力はある刑事と犯罪者だけど頼りになる男によるバディムービーになることも多いですが、本作では徹頭徹尾、無力な証人であり続けます。

ジャックに感情移入して観ていると、自分1人で状況を打破しなければならないプレッシャーが胃をキリキリ痛めてくれます。

ブルース・ウィリスがブルース・ウィリスでない。今まで何を観ても「役名ブルース・ウィリス」だったのに、本作では等身大の中年になりきってます。古傷で足を引きずる設定により、アクションへの振り幅がほとんどないことも上手く機能していると言えるでしょう。



「人は変われない」──ジャックは心に"ある重し"を沈めたまま、そう人生を諦めていた。エディだって結局はその言葉の呪縛に捕われていたかもしれない。だけど2人が出会うことで、お互いの心は動かされていく……。めっちゃお薦め。

最後は分かっていたし、実に普通な締め方なんだけど、それでもちょっとホロッとしちゃいました。歳のせいか(苦笑)。あの自然な雰囲気は若い人には何もない終わり方に感じちゃうかも。

★★★★

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