Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?

●Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?

監督:
  • ピーター・チェルソム(『マイ・フレンド・メモリー』)
出演:
  • リチャード・ギア(『プリティウーマン』)
  • ジャニファー・ロペス(『アウト・オブ・サイト』)
  • スーザン・サランドン(『依頼人』)
  • リサ・アン・ウォルター(『ブルース・オールマイティ』)
  • スタンリー・トゥッチ(『ターミナル』)
  • アニタ・ジレット(『小さな贈り物』)
  • オマー・ミラー(『8Mile』)
  • ボビー・カナヴェイル(『スネーク・フライト』)
  • リチャード・ジェンキンス(『ディック&ジェーン復讐は最高!』)
  • ニック・キャノン(『ドラムライン』)



遺言書専門の弁護士ジョン・クラークは高級デパートに勤める妻と子供2人と何不自由のない暮らしをしていた。しかし単調な毎日に何か物足りなさを感じていた。そんなある日、電車の窓から見えた社交ダンス教室の窓に佇む女性に心引かれ、教室の扉を叩くのだった……。


言うまでもなく周防正行監督『Shall we ダンス?』('96年)のハリウッドリメイク版。

おおまかな人物配置、物語、演出加減などはきちんとオリジナル版を踏襲しています。それらはオリジナル版へのリスペクトの賜物なのでしょう……が、しかし、文化的意味合いが伴わなければそれはやはり別物でしかありませんでした。

男性がダンスをすることが気恥ずかしい日本文化の上でこそ成り立つ物語は、卒業ダンスパーティ等が当然の欧米文化の中でそのまま機能するはずもなく。

主人公設定もサラリーマン→弁護士に変更してしまっては、ただの金持ち男の退屈話。家族のコミュニケーションも至って正常な富裕層カップルのちょっとした倦怠期からくる浮気心なんぞに感情移入なんてできやしません。



上っ面をそっくりにするばかりで肝心の中身が疎かな印象。だったら、ハリウッド流のコテコテなコメディ仕立てにしてしまった方がよっぽど面白いのに……と思うのは私が日本人だから?

結局、本作はオリジナル版のニュアンスそのままをアメリカ人に伝えるべく、しかし、アメリカ人の嗜好に合わせて作られた作品──といったところでしょうか。まあ、日本人が観てああだこうだ言うのはお門違いではあるんでしょうな。

終盤に付け足された「妻への気配りエピソード」もエピローグの流れを滞らせるばかりなのに、ああいう「妻を第一に考える旦那」でなければアメリカ人の共感は得られないのでしょう。

(でも、離婚しようという部下(女性)の目の前でイチャイチャする人間なんて嫌だけどなぁ。アメリカ人ってわからんわぁ)



最後に「Shall we dance?」と口にする場面に溜めが無いのも、下手に溜めると「妻を大事にする旦那」という図式が揺らぐからでしょうか。私はそうでも解釈しないと終盤の感情曲線無視な展開は理解しがたいです。

ま、オリジナル版を観れば本作は観なくていいですね。

それにしてもバラ一輪たずさえてエスカレーターを上がってくるリチャード・ギアは『愛と青春の旅立ち』まんまですな。

★★




【オリジナル版とのキャスト比較】

リチャード・ギア役所広司
ジャニファー・ロペス草刈民代
スーザン・サランドン原日出子
リサ・アン・ウォルター渡辺えり子
スタンリー・トゥッチ竹中直人
アニタ・ジレット草村礼子
オマー・ミラー田口浩正
ボビー・カナヴェイル徳井優
リチャード・ジェンキンス柄本明

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