アイランド

●アイランド

監督:
  • マイケル・ベイ(『パール・ハーバー』)
出演:
  • ユアン・マクレガー(『スターウォーズ(1~3)』)
  • スカーレット・ヨハンソン(『ロスト・イン・トランスレーション』)
  • ジャイモン・フンスー(『コンスタンティン』)
  • ショーン・ビーン(『ナショナル・トレジャー』)
  • スティーブ・ブシェミ(『アルマゲドン』)



大気汚染から逃れた人々が暮らす隔離都市。規制された生活。人々が憧れるのは地上最後の楽園《アイランド》行き。不定期に行われる抽選で当たった者だけがそこへ行けるのだ。主人公はある日、換気扇から蛾が飛んでくるのを見つける。何故? 外の世界は汚染されているはずなのに……。遂には施設を探索すると、そこには先日アイランド行きになった者が臓器を奪われ殺されていた。そう、この都市は臓器を保管するクローン牧場だったのだ……。


ネタ自体は目新しいわけじゃないけど、こういう類いの話は大好きなので監督がマイケル・ベイだと聞いても観に行きましたよ。無論、期待せずに。結果、期待しなかった通りの駄作。

SFってことを忘れさせる場面場面のアクション演出。だったらジョン・ウー(『ペイチェック』)共々、現代劇だけ撮ってて下さい。そのくせ序盤はタルい。SFの撮り方を知らないんじゃない?(『アルマゲドン』も大馬鹿映画だったし)。



まず主人公の暮らしっぷりをもっと削る。既に観客は主人公らが暮らす隔離都市がクローン牧場だと知っているんだから、いきなり主人公もアイランドの秘密を知っているところから始めていい。

「周りの人間はアイランド行きに一喜一憂しているが、僕はそのからくりを知っている。脱出の機会をうかがっていたが、彼女がアイランド行きに当選してしまった。計画は不完全だが強行するしかない。仲良くなった作業員からカードキーをくすねておいた。彼女をなんとか説得して脱出だ。くそっ、監視カメラに見つかった。命からがらたどり着いた扉を開ける……眩しい。太陽の……外の光だ!」てな感じ。

脱出後もSFとしての緻密な展開は皆無。クローン臓器会社は表向きは臓器だけを製造していることになっているため、法で禁止しているクローン人間が逃亡しても大っぴらに出来ない。そこで傭兵まがいの人間たちを雇う。でもこの追跡描写が大雑把すぎて緊張感なんぞ生まれません(チームリーダーはクールなキャラ設定なのに)。



結局は派手なカーチェイスの連続。高速道でのカーチェイスででっかい車輪が追跡車に襲いかかる様は完全なるマイケル節。一瞬、自分が観ているのは『バットボーイズ2バッド』だったっけ?と錯覚すること請け合い。

せっかくの見せ場たる「追跡者が追いつめた時、クローンである主人公と彼のオリジナルの人物が並び立ち、どっちがどっちか見分けがつかない」という展開も、そこに至るまでにきちんと緊張感を維持してこそ。凡百な映像になっちゃってもったいない。

オチも「それで解決ってわけじゃないだろ?」という未消化のままに、一見ラストカットっぽい空撮映像でグルグル回ってお終い。この近視感はなんだっけ?と思ったら『アイ,ロボット』か。SFなのにアクションしかしてなくてオチっぽいだけの映像で終わるトコとか。ああ、まともなSFが観たいなぁ。



本作は米国内で惨敗だったそうな(マイケル・ベイ監督作で最低の出だしだったとか)。まあ、元々こ難しいSFがアメリカでウケるとは思えない。だからアクション映画に仕立てたのか、マイケル・ベイ?

何も考えない人向けアクション映画。

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