スーパーマン・リターンズ

●スーパーマン・リターンズ

監督/製作/ストーリー設定:
  • ブライアン・シンガー(『X-MEN』)
出演:
  • ブランドン・ラウス
  • ケビン・スペイシー(『L.A.コンフィデンシャル』)
  • ケイト・ボスワース(『ビヨンドtheシー』)
  • ジェイムズ・マーズデン(『X-MEN』)
  • フランク・ランジェラ(『ドラキュラ('79)』)



地球を離れていたスーパーマン(クラーク・ケント)が5年ぶりに帰還すると、愛するロイスには婚約者がいて、しかも子供までいた。ピュリッツァー賞を受賞したという彼女の記事「なぜスーパーマンは必要ないか」に寂しさを覚えるクラーク。その頃、宿敵レックス・ルーサーも活動を再開していた。大富豪の老婦人を騙して財産と自由を手に入れると、恐るべき計画を実行に移すのだった……。


うはぁ~、良かったわぁ。
冒頭、ジョン・ウィリアムズのテーマ曲がかかっただけでうるうるきちゃいました。昔のスーパーマンがそのまま帰ってきたんだなぁって。

本作は2作目『スーパーマンII/冒険編』の後、生まれ故郷クリプトン星の欠片が観測されたことを受けて旅に出ていたという設定。私の一番好きな3作目が無かったことになっているのがちょっと寂しいけど、人間関係が変化しちゃうから仕方ないか。

それにてっきり物語を仕切り直してリメイクとかリボーンとかしちゃうと思っていただけに、続編として帰ってきたことが素直に嬉しい。

スーパーマン役にニューフェイスを起用していることで、まさにスーパーマンその人が帰ってきたかのよう。監督曰く「誰それがスーパーマンの格好をしていると観客が感じてしまうのを避けたかったから」とのこと。グッジョブ!

ブランドン・ラウスは世間で言われるほどクリストファー・リーブ似とは感じなかったけど、体躯がありながら清潔感も備えた青年として共通項も多く、まさに理想のスーパーマン像を作り上げていました。

で、ここ重要。観ている間、マジで私は誰かが演じているということをすっかり忘れて、クラーク・ケントがスーパーマンに扮していると受け止めてました(笑)。うわっ、子供か、俺。



正直、『X-MEN』シリーズのブライアン・シンガー監督ということで不安の方が大きかったんですが、いや、これがいい方向に裏切られました。というか、彼の演出は本作向きと言うべきで、X-MENとしてはモッサリしたアクション演出も、スーパーマンのパーソナリティにはベストマッチです。

リチャード・ドナー版へのリスペクトも感じられるし、無理にスピード感を上げるような演出の無理もない。時期が重なった『X-MEN:ファイナル・ディシジョン』の監督を降りてまで本作を選んだのは監督としても良かったんじゃないでしょうか。

ラストカットが1作目へのオマージュだったりと、監督のスーパーマンへの愛を随所に感じます。続編の製作も決定しているようで、ロイスを中心としたあの人間関係(特にロイスの息子)がどうなっていくのか、もう今から楽しみです。



惜しいのはクライマックスに爽快感が乏しいこと。もう少し直接的にレックス・ルーサーをギャフンといわして欲しかった。逃げるレックス・ルーサーがスーパーマンの姿を見つけて「!……スーパーマンッ」と歯ぎしりしながらア~レ~と流されていくとかね。

あと、その後の群衆は下手するとアメリカの正義の自己陶酔の反映にも見えかねないので敬遠する人がいるかも(実は私も少し)。スーパーマン=アメリカの正義という側面はあまり感じさせて欲しくないところ。私ももう少し素直にスーパーマンを心配したかったです。



近年のアメコミヒーローが日本製ヒーロー的なスピード感を求めながらも、そのほとんどが失敗している中、本作はアメリカンなヒーローがアメリカンなままに完成度を上げた作品。観て損なしです。

ちなみに1作目(1978年版)&2作目を観ていなくても、スーパーマンの基本的な知識さえあれば本作から直接観てもまったく問題ないので大丈夫ですよ。

★★★★

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