ストリートファイター

●ストリートファイター

監督/脚本:
  • スティーヴン・E・デ・スーザ(『ダイ・ハード』脚本)
出演:
  • ジャン=クロード・ヴァン・ダム(『ハードターゲット』)
  • ラウル・ジュリア(『アダムスファミリー』)
  • ウェス・ステューディ(『ジェロニモ』)
  • ミンナ・ウェン(『ER』)
  • カイリー・ミノーグ(『ムーラン・ルージュ』)
  • 澤田謙也(『デッドヒート』)



内戦の続く東南アジアの国《シャドルー》。独裁者バイソン将軍は人質を取り、身代金200億ドルを要求してきた。連合軍司令官ガイル大佐はバイソンに通じるサガットという武器商人の元にスパイを送り込み、バイソンの秘密基地の在り処を探る計画を立てる。一方、バイソンを仇と狙うTVリポーターの春麗も闇の武器取引会場に潜入していた……。


『デッド・オア・アライブ』の映画から、つい格闘ゲームの実写映画化としては本作を思い出してしまうということで、これを機に観返してみた次第。

1995年公開作品で、当時、私は劇場に足を運んでいます(苦笑)。確かに出来がいいとは決して言えない映画ですが、でも嫌いじゃなかったりして。もちろんそれはB級的な完成度の低さへの愛だったりしますけどね。



ヴァン・ダム主演ということでガイルが主人公なのは仕方なし(というかアメリカではガイルこそがメインキャラなのかな?)。問題は彼に比べてその他のキャラがあまりにもおざなりなこと。どうにも物語が先にあって、そこに各キャラを無理やりハメこんだ感じです。

リュウ&ケンは完全にチンピラキャラとしてこの手のハリウッド映画におけるコメディリリーフコンビと化してしまっているし、春麗はオバサンで何故かTVリポーターだし、カメラマンはバイソン(※)だし、TVクルーはハワイアンな本田だし、ダルシム&ブランカの「とりあえず出しました」感などなど、原作ゲームとは似て非なる人物設定に脱力必至です。

(個人的には、春麗はゲームCMでコスプレしていた水野美紀に出演して欲しかったとどんなに思ったことか)

ただでさえ多い登場人物を処理しきれない中、何故か映画オリジナルキャラとしてキャプテン・サワダなる日系人キャラを増やす謎。日本市場へのサービスのつもりかもしれないけど、だったらリュウをきちんと描いてくれ。

そもそもベガ(※)役がラウル・ジュリアなのも謎。似てるというほどでもないし格闘家イメージにもほど遠い。今となっては「た~か~の~つ~め~」にしか見えません(苦笑)。

(※本作の基礎知識として、海外ではキャラ名が一部異なっていることに注意。ベガ→バイソン、バイソン→バルログ、バルログ→ベガと、まるで三すくみのような名称変更。イメージしやすいように本文中ではオリジナル名称で記してます)



ただし、キャラの改悪を抜きにすれば脚本自体はそれほど酷くない……というかなんの捻りもない話。悪の秘密組織VS世界連合軍という単純な図式。そこにTVリポーター・春麗(と仲間たち)と、詐欺コンビ・リュウ&ケンが絡むだけ。

本作をC級足らしめてるのは演出や物語の紡ぎ方が平板で平凡なところ。後半の集団戦闘描写のなんとダラダラしてることか。

監督のスティーヴン・E・デ・スーザは『48時間』『コマンドー』『ダイハード』『フリントストーン』『ビバリーヒルズコップ3』『ジャッジドレッド』といった作品群を手掛ける売れっ子脚本家で、本作が劇場監督デビュー。とはいえ以降は『エクソシスト/トゥルーストーリー』(TV)ぐらいしか監督していないようで、まあ、さもありなんですな。

「ビデオゲームの大ファンなんだ。ゲームの脚本も書いたことがある」とは本人の弁。でも、だからといってゲームの世界を映像化する手腕を持っているわけではないという当たり前。

ちなみに彼は『ノック・オフ』でヴァン・ダム作品の脚本を再び手掛けてますが、やはり脚本だけやってる方が向いてると思います。う~ん、『シークレット・ウインドウ』のデヴィッド・コープといい、どうしてこう監督業に手を出そうとするんでしょうねぇ。



ま、絶対にお薦めは出来ませんが、もし観る機会があったなら、ガイルのムーンサルトっぽいキックや、登場キャラが揃ってゲーム画面の勝利ポーズをとるラストカットなど、ヴァン・ダムがガイルのコスプレをしきった瞬間として微笑ましく見てあげましょう。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック