007/カジノ・ロワイヤル

●007/カジノ・ロワイヤル

監督:
  • マーティン・キャンベル(『007/ゴールデンアイ』)
出演:
  • ダニエル・クレイグ(『ミュンヘン』)
  • エヴァ・グリーン(『キングダム・オブ・ヘブン』)
  • マッツ・ミケルセン(『キング・アーサー』)
  • ジュディ・デンチ(『007』"M")



MI-6の諜報員が00ナンバーを得るには2件の"殺し"の実績が必要。00ナンバーに昇格したボンドの初任務はテロリストの資金源である謎の男の正体を探ること。
しかし、仲間の不手際をきっかけにボンドは暴走し、MI-6はマスコミ批判に晒される。だが、そんなことはおかまいなしにボンドは次の手掛かりへと飛ぶ。そして株操作のためなら爆弾テロも行う男・シッフルへと辿り着く。ボンドの活躍で大損をしていたシッフルはカジノロワイヤルのポーカーゲームで一発逆転を狙っていた。その情報を得たボンドは同じテーブルで勝負をする……!


007第1作が遂に映画化!(※'67年の同題名作はパロディ作品)

実に大人な007。「殺しのライセンス」を持つとはどういうことなのかをヒロイックにすることなく等身大できっちり描いています。

それでいて銃口越しのボンドが手前に振り返り銃を撃つお馴染みのアバンも最初の殺しのシチュエーションに組み込む巧みさ。そしてオープニングタイトルもしっかりと用意。さすがに女体シルエットが踊ることはなかったですが、ボンド映画の構造はきっちり押さえてます。

またダニエル・クレイグが、心に影を持ち、剥き出しのナイフのようなボンドを見事に演じていてGOOD。00ナンバーに昇格したばかりという設定も相まって、新しいボンドが誕生しました。

それにしても新ボンドがダニエル・クレイグだと知った時は、私も大方の人と同じようにボンドに合わないのでは?と思った次第で。内容も「恋するボンド」だというから、こりゃ007史の中で2代目ジョージ・レーゼンビーのような位置になるかな?などと考えてましたが、こう来たかって感じです。



せっかくなのでちょっと歴代ボンド役のおさらい──

  • ショーン・コネリー
    男くさい初代ボンドはもはやカリスマ。(『ドクター・ノオ』『ロシアより愛をこめて』『ゴールドフィンガー』『サンダーボール作戦』『007は二度死ぬ』『ダイヤモンドは永遠に』)

  • ジョージ・レーゼンビー
    憂いがありちょっと優しい面立ちの2代目ボンドはショーン・コネリーの影を背負わされて不運でした(1作で降ろされショーン・コネリー再登板)。(『女王陛下の007』)

  • ロジャー・ムーア
    そしてボンド像のダブルスタンダードとなる紳士的でスマートな3代目が登場。ただし宇宙にまで飛んでいってしまうようなコミックヒーロー化も。(『死ぬのは奴らだ』『黄金銃を持つ男』『私を愛したスパイ』『ムーンレイカー』『ユア・アイズ・オンリー』『オクトパシー』『美しき獲物たち』)

  • ティモシー・ダルトン
    その反動か4代目は男くさいタイプで原点回帰を狙うも、世界は冷戦時代も終わり、敵を見失ったまま2作で終了。(『リビング・デイライツ』『消されたライセンス』)

  • ピアース・ブロスナン
    そして新時代のボンドとしてスマート系な5代目が誕生。(『ゴールデンアイ』『トゥモロー・ネバー・ダイ』『ワールド・イズ・ノット・イナフ』『ダイ・アナザー・デイ』)



前作のピアース・ブロスナンも、彼は彼で王道のボンド像を実現していて好きでしたが、いかんせんコミックヒーローのような荒唐無稽さが作品自体を少々子供っぽくしてしまったりも(スパイグッズ等のガジェットを駆使したい欲求って少年心の延長なので当然かもしれませんが)。

シリーズでは何度か「原点回帰」と称してライブアクション作品への軌道修正がなされていましたが、今回ほどそれが成功した例はないでしょう。それにボンドというキャクターの変化も──。なので今までのボンドを毛嫌いしてた人も是非観て欲しいですね。



最初から最後まで純粋に007を楽しめました。おすすめ。
ちなみに本作が私の2007年の映画初めでした。

★★★★

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