アローン・イン・ザ・ダーク

●アローン・イン・ザ・ダーク

監督:
  • ウーヴェ・ボル(『ブラッドレイン』)
出演:
  • クリスチャン・スレーター(『ブロークンアロー』)
  • タラ・リード(『新・死霊伝説』)
  • スティーヴン・ドーフ(『ブレイド』)



超常現象調査員エドワードは、悪魔によって滅亡したと伝えられている古代アビニカ族が残した《遺物》のひとつを手に入れた。空港に降り立ったエドワードを遺物を狙う異常な男が襲ってくる。なんとか難を逃れたエドワードだったが、幼き日の孤児院仲間19人が失踪した事実を知る。エドワードは恋人のアリーンの元を訪ね、遺物の調査を依頼するが、そこに謎の怪物が現れた……。


「日活ヴァンパイア&悪魔GO!GO!まつり」第2弾!!

C級演出炸裂!僕らのボルが帰ってきた!(笑)……ていうか製作年度表記からするとこっちの方が『ブラッドレイン』の前なのか。となると無駄に丸くなっちゃったのかな(単に出来損ないになっただけとも言うが)。



ボルには物語を紡ぐ能力が無いのだ。導入部の出来てなさからも一目瞭然なのだが、ここでは中盤、恋人でもある女性学者アリーンの元を久々に訪ねるエドワードという場面を取り上げてみる。

画面は机に向かうアリーンを正面から捉え、その背後に警備員がフレームインし「お客さんです」と言うとエドワードがひょっこり登場というシーン。

しかし、この場面の直前までは主人公たるエドワード視点で物語が進んでいた。言わばその足でアリーンを訪ねたという流れである。なのにこの場面では台詞の通り「お客さん」になっている。

本来はアリーンの元に進む警備員の後をエドワードが歩く姿をバックショットで捉え、警備員の「お客さんです」の言葉で振り返ったアリーンがエドワードを確認して抱きつく……という見せ方が妥当。

かようにシーン前後の流れなど考えず(考えられず)、とにかく場面場面を必要ショットだけ撮り、適当に繋げる!というのがボルスタイルなのだ。



せっかくだから、導入部も触れるか。

博士の洋上での引き上げ作業風景とエドワードの身に降り掛かる出来事とを切り返しすぎ。だったら引き上げ作業中、博士が携帯でアリーンに送った荷物は開けるなという指示をし、アリーンの元に博士の荷が届く場面で周りの人物紹介をする。直後、博士の携帯が鳴り、そこで博士が「空港に着いたエドワードから遺物を奪え」と電話の相手に指示したら旅客機内のエドワードに場面を移す。そこからエドワードと追っ手とのチェイスに集中。そして遺物の謎に気付いたエドワードから洋上の博士に場面を戻し、箱の開封場面に繋げば自然かと。



『ハウス・オブ・ザ・デッド』での対ゾンビ戦で人物周りをぐるぐる回るカメラワークに通じる演出が本作にもあり。それはエドワードの部屋での大銃撃戦。馬鹿っぽくてサイコー。ゾンビ風キャラの演技のついてなさもダレてて味がありまくりだ。



終盤、地下と地上のドラマが分断。分断だけならまだしも、ある2人の隊員のエピソードを物語とまるで無関係に挿入。そもそもあの戦闘区域の近くで別話が展開する凄さ。

絶対死ぬ位置で爆発から逃れようとする特殊部隊隊長。潔く自爆させてやろうよ。

序盤の展開ではクトゥルー神話すら無視する気か?と危惧したけど、最後はなんとか取り入れてたのが救い。完成度になんら影響はないけどね。



ボル演出を楽しみたい人だけ集合!って作品なので、まともな映画ファンは気をつけて。

ボルといえばゲームの映画化企画はまだまだ乗り気なようで、遂には『メタルギアソリッド』の企画も進めたそうな。ただし、その情報が流れるや否やコナミの小島監督は慌てて否定に走ったという。今やゲーム業界から恐れられる存在になったボル。異端児の名は伊達じゃないね。



ちなみに「バイオハザードの原点、完全映画化!」というコピーにカプコンは異議を唱えないのかな? あ、藪蛇はゴメンか(笑)。そういや、PS2版『アローン~』の日本版はカプコン発売のはずが発売日未定のまま消えたなぁ。遊びたかったのに。

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