韓流ドラマ・ラブコメ編

韓流ラブコメについて、韓流ファンでない男性による韓流ドラマ分析を少々。ファンではないので視聴サンプルは十数本程度と少々偏ってはいますが、概ねベースは変わらないと思います。



韓流ラブコメとは──

  • ヒロインはとりたてて特別なところのない女性

  • 自由人タイプと真面目エリートタイプの2人のイケメンに好かれる
  • イケメンはどちらか片方(もしくは両方)が金持ち

  • ヒロインの身内にろくでなしの親戚がいる
  • ヒロインを振り回す馬鹿な友人がいる
  • 性格の悪いライバル女がいる

  • ヒロインは当たり前の意見を言うだけなのにブルジョワな世界の住人たちには新鮮で評価される

  • ヒロインは実は何かしら才能がありエリートイケメンの力で重要な立場に登用され成功する

  • 自由人イケメンは当初はヒロインを意識していないが自分の気持ちに気付いた辺りでエリートイケメンとの仲を嫉妬しだす

  • ヒロインは自分の道を歩き出す
  • 自由人イケメンが追い掛けて尻に敷かれてハッピーエンド

まず、これで9割通じます。



イケメンは自由人タイプとエリートタイプの両極端。萌えアニメで様々なタイプのヒロインを用意するのと同じです。イケメンの割り当ては、自由人→クール、エリート→温和のように作品毎に差はありますが、わかりやすい2種類のタイプになっているのは変わりません。ヒロインと密接に関わるのは自由人イケメンが多いですが、『マイガール』のようなエリートイケメンのパターンもあります。

自由人イケメンはなにかしらの因縁でヒロインと関わるようになります。『フルハウス』では友人に勝手に自宅を売られたヒロインが同宅を買ったイケメン芸能人と色々あって契約結婚、『マイガール』ではヒロインの小芝居を見抜くという最悪の出会いから始まり、『メリは外泊中』では親の決めた結婚を避けようとしてたまたま知り合った売れない歌手と偽装結婚をするといった具合。『美男《イケメン》ですね』では双子の兄の替え玉としてアイドルグループに加入といった感じで出会いに恋心は一切ありません。

ヒロインは普通と書きましたが勝ち気な性格が多いのが特徴。『マイガール』の詐欺師は論外レベルなれど、どれも主人公的にどうかと思うレベルだったりします。韓国人にはそれが普通というか共感できるものと思われます。そのため見る側としては概ね主人公であるヒロインには感情移入できず、イケメンのどちらかに感情移入することになりがちです。

エリートイケメンはヒロインを自分の周りにいないタイプだからと興味を持ちます。また、自由人イケメンとは家族同然の付き合いで顔見知りだったりもします。『フルハウス』然り、『マイガール』然り。

ヒロインは磨けば光る才能があり、エリートイケメンの導きで成功します。『フルハウス』では元から小説家志望でエリートイケメンの手ほどきで映画の脚本を書き上げ、『マイガール』では通訳の仕事をし、『メリは外泊中』ではドラマ脚本家の手伝いをし、『コーヒープリンス1号店』ではバリスタの資格を取るに至ります。

なぜか必ず主人公周辺に親戚筋のダメ人間がいるのも特徴。『マイガール』ではヒロインの父親がギャンブル好きの詐欺師で、『メリは外泊中』ではイケメンシンガーの母親が子育てよりも男優先で息子に金を借りにくる駄目人間で、『美男《イケメン》ですね』ではヒロインの叔母が金の匂いを嗅ぎ付けて近づいてくるタイプといった感じ。『フルハウス』ではヒロインは天涯孤独の身なので、友人バカップルがその役を担っており、二重に酷いキャラになっていたりします。

ヒロインは2人のイケメンの間でどちらかに惹かれながらも三角関係を維持。自由人イケメンが自分の気持ちを自覚するとヒロインの無自覚な行動にやきもきしだします。その際にヒロインの行動が理不尽だったりして、私はついつい自由人イケメンに肩入れしたくなりますが、これは私が男性だからでしょうか。女性視聴者だと素直にイケメン中心に見て、ヒロインの立場で満喫していたりするのかもしれません。



こうしてまとめてみると韓流ラブコメが少女漫画の手法そのものであることが一目瞭然ですね(過去記事)。

日本の漫画原作の『イタズラなKiss』があちらでドラマ化されたのも、平凡ヒロインと金持ちエリートイケメンとの恋物語という図式がこの韓流ラブコメの大枠に合致していたことも大きいと思われます。まあ、自由人イケメンポジションはいないんですけどね(※金之助はイケメンじゃないしライバルにもなりえていない)。

ちなみに純粋なラブコメでなくとも『快刀ホン・ギルドン』や『このろくでなしの愛』といった作品などでも、自由人イケメンとエリートイケメンがヒロインを挟んで対立する構図だったりします。現在放送中の『検事プリンセス』も同様。

結論としては、少女漫画を大元にすれば、そりゃ女性は理想の世界として受け入れやすいに決まっているということ。登場人物の性格や常識が韓国のそれである部分(女性がまくしたてるように文句を言ったり男性を振り回す姿)も、女性目線では痛快に映るのがウケている理由だと思います。男性に理解不能なのも当然ですな。



最後に私のお勧め作品を挙げるなら『美男《イケメン》ですね』が今のところ唯一かな。ヒロインの性格が良く、ライバル女の意地悪は可愛い女心の現れでしかなく、ろくでなしの親戚がほぼ空気と、ストレスを感じる韓国のノリがほとんどなくて純粋に楽しめると思います。

どうやら同作は日本でリメイクするらしいですが、キャストを見るに不安しかない……。

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