漫画原作ドラマ大流行り

今期は特に漫画の実写ドラマ化が目立ちます。
私がチェックしたのは以下の通り。

  • ろくでなしBLUES(日テレ/水曜深夜0:59)
  • 工藤新一への挑戦状(日テレ/木曜夜11:58)
  • 花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011(フジ/日曜夜9:00)
  • 美男〈イケメン〉ですね(TBS/金曜夜10:00)
  • 桜蘭高校ホスト部(TBS/金曜深夜0:20)
  • 荒川アンダー・ザ・ブリッジ(TBS/火曜深夜0:55)

最近は映画も含めて漫画やアニメの実写化に拍車がかかっていましたが、ここまでくると安易というかなんというか。今回『美男ですね』は漫画原作ではないですが、元が日本漫画っぽく、かつイケパラに近いリメイク方向なのでまとめてみました。

では放送順にチェックした感想を。



●ろくでなしBLUES

正直「なぜ、今?」としか思えない上に、髭面でさらさらヘアーの前田太尊や原作の面影の欠片もない千秋など、ただただネームバリューを拝借しただけの別物感が強い。キャラ紹介の度に原作絵を挟み込む演出も「この人が演じているキャラは元はこんなです」と言い訳しているようにしか見えない。別に原作そっくりなコスプレ劇を望んでいるわけじゃない。かつての『ビーバップハイスクール(1985)』も原作とそっくりだったわけじゃない。ただ、あれはその当時の人気作としての熱気や映画たらんとする作り手が実写化を成立させていたのであって。

だから「なぜ、今?」としか思えない古い作品を引っ張り出すからにはそれ相応の意義が欲しい。そうでなければ『ルーキーズ』から派生する2匹目のドジョウ狙いでしかない。「ろくでなしBLUES×劇団EXILE」と銘打ち、同劇団から多数出演している作りを意義だというのならそれは劇団ファン向けでしかない。どちらかというと昨今流行りの漫画原作ミュージカルみたいな代物と思うべきなのかも。



●工藤新一への挑戦状

コナンの姿になる前の高校生探偵部分をとうとう連続ドラマ化。どうやら『金田一少年の事件簿』よりも作りやすいと見える(アチラはおそらくジャニーズを絡めないといけないんだろう)。小五郎のオッチャン以外のキャラが別物すぎるのは実写化の範疇として目を瞑るとしても、推理ものとして単純に雑……って、原作からしてそうか。『CUBE』というか同局の脱出バラエティみたいな変な白い部屋に閉じ込められて過去の事件を思い出す部分はいらないけど、たぶん学校生活描写を端折りつつ、事件の羅列感が目立たないようにするための工夫。コナンの名前がなければ見るべきものがない凡作。



●花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011

謳い文句「4年ぶりに帰ってくる!」……って早すぎ。こうしたリメイクは文化の違い時代の違いがあってこそ。『七人の侍』が『荒野の七人』になるように、『潮騒』がほぼ10年おきにその時期の若手スターが演じることで価値が生まれるように(※1971年作がイレギュラー)。本作は後者を狙ったのだろうが作品が若すぎた。

しかも、キャストを入れ替えただけで、同じ物語を前作と変わらないセットで撮影しただけでなく同じBGMをあてる作りでは、前作ファンにとってはただのバッタモンでしかない。ならば新規視聴者を捉えているかといえば前田敦子には男装女子としての魅力がまったくなく、周りの男子が惚れることに説得力がまるでない。物語自体も3ヶ月で廃校という余計なアレンジを組み込んだことで、佐野が立ち直るドラマに期限を設けてしまったのが一番の改悪。今回の脚本は酷い。全てが劣化版にしかなっていない。せめてモー娘のSPドラマみたいな2時間特番だったら学芸会でも需要はあったろうに。

桐山蓮の出演を楽しみにしていただけに悲しい。ちなみに水嶋ヒロ→桐山蓮(仮面ライダー主演)、姜暢雄→徳山秀典(戦隊出演)というキャスティングはわざとだよね。



●美男〈イケメン〉ですね

本家は韓流ラブコメの中で唯一、私が吹替版推奨で人に勧められる作品。リメイク版は主演の瀧本美織が本家に負けず劣らず男装女子としてかわいくて良い。しかし、対するA.N.JELLの3人がよろしくない。特にチャン・グンソク担当の玉森裕太が『ごくせん』のヤンキー生徒レベルでしかなく、国民的アイドルとしての説得力に欠ける。勇気(ドラム)役の八乙女光は及第点、柊(ギター)役の藤ヶ谷太輔は玉森と比べればまだマシというレベル。本家シヌ的には柊はもっと王子様の線が欲しかった。

脇のキャスティングは概ね問題ないけど楽しんごだけは本当にいらん。ああいう無理やりに配役を組み込むのは日本のドラマの悪いところ。あとは柳沢慎吾のマネージャーはちょっと流れが悪し。マネージャー役は記者側で出てる山崎樹範が個人的にはイメージだったかな。初回の孤児院ドラマのいかにもな日本ドラマ的テンプレ展開を見ると少々先行きが不安。



●桜蘭高校ホスト部

正直、ホスト部のキャスティングを見た当初は不安しかなかったけど、これは見事な実写化。特にハニー先輩はどうなるかと思っていたら、番組開始前に出た集合写真の中で千葉雄大がハニー先輩として違和感なくそこに存在していたので期待へと変わっていたのだけど、まさか、他人に抱きつく時には「体が縮む」という強引な技でモリ先輩の肩に乗るハニー先輩の絵面もクリアするとはまったくもって予想外。子役に安易に逃げなかったスタッフに拍手。他のホスト部の面々も、原作やアニメの美形っぷりをそのまま再現できるはずもない中、演技や演出できちんとホスト部足らしめており、アニメDVDを揃えた身からも素直に楽しめた。ハルヒ役の川口春奈も男装女子としてかわいい。今期の漫画原作ドラマでイチオシ。



●荒川アンダー・ザ・ブリッジ

こちらもホスト部同様、原作漫画→アニメ化→実写化という順序。アニメのノリ(BGM含む)が頭にあるとテンポ等が微妙に感じてしまうかもしれないけど、あくまでも本作だけを見れば、荒川の橋の下に生きる奇想天外な住人たちが繰り広げるおかしな日常というものを深夜ドラマらしい少し尖った演出と役者による芝居の間合いで理想的な実写化を成し遂げていると思う。ホスト部とは真逆なアプローチと言えるかも。河童を始め、コスプレの完成度が高すぎる。映画が平行して作られていることが大きいか。これはこれでアニメとは別物として楽しめそう。



結局、作り手が作品とどう向き合っているかに尽きます。『桜蘭高校ホスト部』と『荒川アンダー・ザ・ブリッジ』以外は原作や前作のネームバリューに寄りかかるばかりで、ジャニーズだのAKBだのをブッキングする時点で完結している企画物の域を出ないのが問題かと。ゴールデンの番組ほど駄目になるのはどうにもならないんでしょうかね。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック