韓流時代劇『朱蒙』完結

先月『朱蒙(チュモン)』が地上波(テレ東/日曜昼11:55)でようやく完結したので総括しておこうかと。

序盤が面白かったのは以前書いた通り。主人公チュモンがまだ若い前半部分は登場人物らが皆、良い意味でフィクション性が高く、それがドラマの面白さに繋がっていました。(過去記事

ところが中盤からはドラマの作りが大仰な歴史劇へと傾倒していき、それら魅力的な人物像はすっかり影を潜めてしまいます。



物語の流れを簡単に説明。

  1. チュモンの父・ヘモスはタムル軍を率いて漢と戦っていた。
    親友である扶余(プヨ)の王子・クムワも共闘していた。
    扶余の側近らはヘモスが扶余をも支配すると思い、彼を漢に売る。
    処刑されるヘモス。
    ヘモスの子を宿していたユファ。
    密かにユファに恋心を抱いていたクムワは彼女を側室にする。
    (~第3話)

  2. 20年後。
    青年となったチュモンは扶余・クムワ王の第3王子として育つ。
    ユファやチュモンを寵愛するクムワ王に正室側は反発する。
    常々、命を狙われるチュモンは商団の娘・ソソノに助けられる。
    宮殿を追い出されたチュモンは、生きていた盲目のヘモスと出会う。
    互いに親子とは知らずにヘモスから武芸を学ぶチュモン。
    (~第10話)

  3. 扶余第1王子・テソらがヘモスの存在を知り、亡き者にする。
    自分がヘモスの息子であることを知り、決意を新たにするチュモン。
    チュモンとソソノが互いに惹かれあう。
    流民軍を率いるチュモンは漢の鉄騎軍との戦いの中で行方不明に。
    (~第33話)

  4. チュモン亡き中、テソ王子はソソノに側室になることを迫る。
    拒むためにソソノは商団の護衛役のウテと結婚する。
    チュモンはとある部族の族長の娘・イェソヤに助けられていた。
    部族内で反乱が起こり、チュモンとイェソヤは捕われの身に。
    生きていると知った仲間がチュモンを救出し宮殿に戻る。
    (~第39話)

  5. チュモンとイェソヤが結婚。
    チュモンは流民と共に国を出て、新生タムル軍を結成。
    母親ユファとイェソヤは扶余で人質扱いとなる。
    漢や扶余と戦う中、チュモンは新しい国の建国を決意する。
    (~第55話)

  6. 3年後。
    ソソノは商団が組する組織を元に新国家建設をチュモンに提案。
    母親ユファとイェソヤが脱出に失敗し、ユファ死亡。
    チュモンは漢支配の土地を奪い返し、高句麗を建国する。
    イェソヤが死んだと思っていたチュモンはソソノと再婚する。
    (~第73話)

  7. 15年後。
    チュモンの息子・ユリは貧乏生活の中、裏の仕事に手を染めていた。
    チュモンはユリとイェソヤが生きていることを知り宮中に迎える。
    ソソノは王妃の座から身を引く決意をする。
    高句麗と扶余が同盟を結び、漢を追い払う。〈完〉
    (~第81話)

面白かったのは上記の第39話辺りぐらいまで。
後は平板な展開の繰り返し。

特に第56話の"3年後"以降が顕著で、チュモン率いるタムル軍が漢や扶余の大軍と戦ってはスパルタ兵の如き死傷者皆無で毎度圧勝し、助けた地元民に「チュモン大将バンザーイ」と言わせることに終始します。調べると元々60話予定だったものが延長されて81話になったそうで、さもありなんといったところでしょうか。



そして後半になればなるほど、作り手は韓国の起源はこんなに素晴らしいのだと半ば本気で描くようになり、登場人物らはその中で歴史上の人物としての立ち居振る舞いをさせられるだけの傀儡と化します。

言うなれば韓国の歴史を美しく書き換えたいという願望が最終的に本作をつまらないものにしてしまったと思う。

韓国人にとっては韓国が中国の属国だった事実は無かったことであり、韓国の起源とされる高句麗のそのまた遥か以前から韓国は他のアジア諸国と違って独立を守り続けていることになっているらしい。それをドラマという場で世界に発信しようというのが韓流時代劇。そんなつまらない感情でせっかくの良作を駄作へと作り替えてしまうのは実にもったいない。

痛いニュース「韓国は中国の属国と歴史湾曲されてる」
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/742979.html


私が見た中で言うと『イルジメ』『快刀ホン・ギルドン』のように娯楽作に徹しているものは面白い。日本で言えば「ねずみ小僧」とか「石川五右衛門」みたいな。まあ、ホン・ギルドンの方は街並とか綺麗すぎるけど、そもそも似非歴史アニメのノリなのでOK。

ちなみに『朱蒙』の時代背景は紀元前58~19年。その記述は神話的であり、日本のきちんとした歴史書から推察・創作される戦国時代劇と比べることが間違い。もし比べるなら邪馬台国辺りを舞台にした歴史ドラマなので、そりゃ空想をめぐらせた代物にもなるってもんです。まともな時代考証であんなファンタジーRPGみたいな鎧はデザインできません。

東明聖王 -Wikipadia-
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%A2%E3%83%B3


劇中での隣国の対立構図は明らかに北朝鮮と韓国を暗喩しており、それもまた韓国で本作がウケた理由かと。「独裁政治で貧しい国・扶余」が北朝鮮、「チュモンが建国した豊かな国・高句麗」が韓国。終盤、高句麗が扶余に手を差し伸べ、同盟を結び、漢(=中国)と戦う……と、まあ実にわかりやすい。最終回のその後でチュモンの孫がテソを殺して扶余が没落するというのも意味深だったり。



本作を評すなら、日本人にとっては前半はファンタジーとして十分楽しめつつも後半は凡庸で飽きる佳作であり、韓国人にとっては自国を美化する国威発揚ドラマであり海外に捏造歴史観を広めんがための作品、といったところでしょうか。

前半はお勧めなので機会があればどうぞ。


【余談】
チュモン王物語としての重要な縦糸である鋼鉄の武器のくだりのこと。チュモンの悲願である鋼鉄の武器の完成は、劇中でずいぶん長く引っ張ることから、きっと鍛冶職人の親方の努力で完成させるものと思いきや、中盤に突如現れた洞窟の巫女と呼ばれる謎の人物がもたらすアンチョコのレシピであっさり完成するという。ナニソレ。

それでも自力で開発したと喜ぶ登場人物たち。自分で設計せずとも物を作れば自分が開発したことになるアチラの思考が垣間見える珍場面です。昨今のiPhoneパクリ問題なども韓国内においてはマジで自力開発の範疇なのかも。思わず韓国人のパクリ精神の根深さを感じた一幕でした。

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