韓国初女性大統領誕生ドラマ『レディプレジデント~大物』

2013年2月に韓国では女性初の大統領が誕生しましたが、そこで思い出したのが2011年9月にフジテレビで放送された『レディプレジデント~大物』という韓国ドラマ。

2011年といえば抗議デモが起きた年(8月~)であり、このドラマはフジの偏向編成そのものの「韓流α」という昼帯枠で放送されていた代物。私はまだ韓国ドラマをツッコミ目的でチェックしていた時期でしたが、このドラマでそれも辛くなり、とうとう途中で放置(※以後チェックしたのは『シティーハンター in Seoul』のみ)。

今回の現実の女性大統領誕生で、とりあえずドラマの最後がどうなったかチェックしたくなり当時録画したままだった後半を見た次第。

今更ですが感想を少々。



アナウンサーだった主人公ヘリムはアフガニスタンで夫が殺害された際、韓国政府の対応について番組を私的に使い批判したことで局を解雇される。ヘリムに惚れている不良少年ドヤは勉強して今や検事になっていた。
ヘリムは地元の環境問題運動をするが、与党若手実力者テサンの目に止まり国会議員となる。しかし党に縛られる窮屈さから辞職し知事選へ出馬。ヘリムに内緒でドヤが収賄ネタで対抗馬を辞退させたことで当選。与野党内での派閥争いでこの不正が明るみに出たことからヘリムは知事を辞職。紆余曲折を経てヘリムは大統領選に出馬。韓国初の女性大統領となる──。


この物語を大雑把に言えば「わらしべ長者」

ただし、主人公ヘリムは徹頭徹尾1本のわらに過ぎず、周りの人間が勝手に価値を少しずつ上げていってくれる。

この「主人公はごく普通の少女で特殊なセレブ人たちの中では特異な価値を持つ」というのは韓流ラブコメの典型ではあるのだけれど、その元となる日本の少女漫画では概ね主人公にはきちんと芯があって魅力的なキャラであるのに対し、韓流主人公は概ねただの自己中キャラとなっており、まさに韓国人の理想を体現している存在でしかない。

過去記事1「韓流ラブコメ=少女漫画テンプレ」
過去記事2「ヒロインが韓国人を体現」




主人公ヘリムは特に何もしない

真っ正直に行動すると言えば聞こえはいいが、ただ正論(っぽいこと)を口にするだけで周りが何故か感化されていく。それを下支えしているのが検事ドヤ。どう見ても睡眠時間がない活動量で自分の仕事と平行してヘリムへの奉仕をこなす。与党若手議員テサンをはじめ政敵らは勝手にヘリムを祭り上げたり貶めたり、結果、ヘリムが有利な状況となる。

ヘリム自身の行動といえば、ソマリア沖で起こった韓国漁船拿捕事件の特使として単身武装勢力のアジトに乗り込む。それ人質増やしただけですやん。しかも情に訴える言葉を並べただけを交渉と言い張る。ソマリア政府の交渉で解放されただけなのに韓国ではヘリムの美談となっている。大統領就任後の中国領海内での潜水艦事故に対する交渉も交渉とは呼べない我田引水な理論なのに何故か交渉成立する。

そうして出来た「実績」は全てヘリムの実力の賜物と劇中では評される。そのため内面の成長過程を描かないまま何故か聖人君子のようなキャラへと変貌していく。



こういった成り上がり物語は「主人公に本当に魅力・実力がある」と「主人公は本当に駄目な奴だけど何故か上手くいく」といった語り口の振り幅の中にあってこそだと思う。駄目だけど知恵が働くとか、駄目だったけど努力で徐々に成長し信頼されていくとか。

しかし韓国ではおかまいなしにこの振り幅の外の「駄目な奴が成功するがそれは本人の実力ということになる」という物語となってしまう。最終回付近で政敵だったテサンがあっさり改心した上にヘリム賛美をし始めた時には本気で馬鹿だと思いました。

総評:韓国人以外見る価値無し

いや、本当に韓国人以外でこのドラマの中の価値観に納得できる人がいたら毒されすぎたか頭おかしいかのどちらかですってば。



余談。

最終回で黒幕が国外逃亡する際に「戻ってくる頃には何もかも片付いていると私は信じてます、フフ」とか不穏なBGMをバックに電話の相手に言い残しているから、てっきり韓国大統領の末路らしく暗殺でもされるのかと思いきや、隠居してドヤと料理屋やって幸せにくらしましたとさENDであっさり終わり。韓国大統領の末路を知る韓国人向けのミスリードとしても拍子抜けでしょ。

韓国ドラマではたびたび頭の痛みを感じて「うっ」と頭を押さえて苦しむ「死ぬ死ぬ詐欺キャラ」が登場しますが、本作では最終回間際に検事ドヤが車にはねられて死ぬ死ぬ詐欺キャラにレベルアップ。まったく意味なく死にません。韓国大統領の末路と組み合わせて「助かったけど凶弾に倒れる」という展開にでもすればまだマシだったろうに。

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